2019年09月15日号
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フレキシビリティ

Flexibiliry

フレキシビリティとは、一般的には変化に対する柔軟性や融通性を意味し、建築においては、用途や機能の変化、増築や改修、間取りの変化などに対応可能な建物の性質を意味する。建築におけるフレキシビリティには、ある時点での多様な計画に対応しようとするフレキシビリティと、時間経過に伴う変化に対応しようとするフレキシビリティの二種類がある。フレキシビリティは、ミース・ファン・デル・ローエによって提唱された、無限定に広がる均質空間「ユニヴァーサル・スペース」が目的とすることのひとつでもあり、大きな一室空間は、いまに至るまでフレキシビリティの高い空間のモデルであるとされている。一方、ユニヴァーサル・スペースとは異なるフレキシビリティを実現しようとする試みも継続されており、例えば妹島和世と西沢立衛は、《スタッドシアター・アルメラ》(2007)において、さまざまな大きさの部屋を用意し、それらの用途や機能が組み替え可能なように、ヒエラルキーなく並べることによって、これまでにないフレキシビリティを備えた空間のモデルを提案している。また、部品や部材の着脱を可能とすることによって、建物の部分的更新や改修を容易にするような、構法レヴェルでのフレキシビリティを向上させようとする試みも、第二次大戦後になって世界各地で認められるようになり、そうした試みは、現在も継続されている。フレキシビリティは、いまなお建築の課題であり続けている。

著者: 門脇耕三

参考文献

  • 『JA』No. 35, 「妹島和世のフレキシビリティ」, 青木淳, 新建築社, 1999

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