2019年09月15日号
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プレタポルテ

Prêt-à-porter(仏)

高級既製服のこと。プレタポルテとは、英語の「すぐ着られる服(ready to wear)」をフランス語に置き換えた造語で、1949年にフランスの既製服メーカーのヴェイユ社が広告に用いたのが初出。それ以前に既製服というときには、フランスでは「コンフェクション」という言葉が使われていたが、質の悪い安価な服という意味が含まれ、それと差別化を図るため、「プレタポルテ」の言葉が考案された。50年代以降、既製服の品質が向上し、オートクチュール(高級仕立服)に匹敵するような製品がつくられるようになると、プレタポルテが既製服を指す一般的な言葉として世界中で使われるようになった。60年代には、戦後のベビーブーム世代の若者たちが大きな購買層としてファッション市場に参入したことに加え、ピエール・カルダンやイヴ・サンローランのように、オートクチュールのセカンドラインとしてプレタポルテの店を開店するデザイナーが相次ぎ、プレタポルテは急成長した。70年代に入ると、ソニア・リキエルやエマニュエル・カーン、高田賢三など、プレタポルテのデザイナーが時のモードを牽引するようになる。また、73年にオートクチュールに倣い、パリで年に2回、プレタポルテのコレクションが開催されるようになると、ミラノやニューヨーク、ロンドン、東京などの各都市もこれに続き、今日に至るまでコレクションは新しい流行の発信の場のひとつとして機能している。

著者: 朝倉三枝

参考文献

  • 『パリ・コレクション モードの生成・モードの費消』, 深井晃子, 講談社現代新書, 1993
  • 『20世紀モード史』, ブリュノ・デュ・ロゼル(西村愛子訳), 平凡社, 1995
  • Histoires de la mode, Didier Grumbach, Regard, 2008

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