2019年06月15日号
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ポップ・アート

Pop Art

1960年代初頭から中盤のアメリカを席巻した、同時代の大衆消費社会のイメージ(雑誌、広告、商品、コミック、TV、映画)を主要な主題や素材とした作品のこと。特にアンディ・ウォーホル、ロイ・リキテンスタイン、ジェームス・ローゼンクイスト、トム・ウェッセルマンらが相次いで個展を開催した62年がアメリカにおけるポップ・アートの創成期にあたる。第二次大戦で国土が戦場とならなかったアメリカでは、戦勝国として経済活動が促進され、50年代後半には大衆的な消費社会が確立された。また西ヨーロッパにもアメリカ型の大衆文化や消費社会の影響が流入し、ポップ・アートの源流となる社会的基盤が形成された。この語は、美術家リチャード・ハミルトンや批評家ローレンス・アロウェイらが所属していたイギリスの「インディペンデント・グループ」内の議論から生まれたとされ、アロウェイ自身の回想によれば、54-55年頃に初めて用いられた。グループのなかでは「大衆文化(ポピュラー・アート)」と同義で用いられていたが、大衆文化をモチーフとした作品がイギリスとアメリカで登場してくるにつれて、アロウェイが率先して美術作品自体の呼称として用いたことにより、美術の動向を指す語として定着した。60年代初頭にリキテンスタインやウォーホルが、コミックやコカ・コーラなどの大衆社会に流布した世俗的かつイコノグラフィックな表象を脱主観化された機械的手法を用いて取り上げるようになるが、レディ・メイドな事物の記号的表象作用に着目したR・ラウシェンバーグとJ・ジョーンズの「ネオ・ダダ」は彼らの活動に先鞭を付けるものであり、「プロト・ポップ」とも呼ばれる。

著者: 沢山遼

参考文献

  • 『ポップ・アート』, , ルーシー・R・リパード(関根秀一ほか訳), 洋販出版, 1993

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