2019年08月01日号
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ミニマリズム

Minimalism

1960年代の半ばから、アメリカを中心に現象した還元主義的な傾向の美術作品を表わす総称。立方体や幾何学形などの形態の採用や色彩の統一的な処理、コンポジションの排除などの傾向を持つ。イリュージョニズムを無くし、物体の直接的な現前を強めることへの志向から、三次元的(彫刻的)な表現が主流をなした。さらに、同一ユニットの立体の連続的な並列配置が周囲の空間への質的な介入を果たすD・ジャッドの作品のように、作品が設置された「場」と積極的に関わろうとする姿勢が強く見られた。R・モリスもまた、複数の立体の相関関係を強調してインスタレーションすることで、展示室内においてさまざまに移り変わる観者の現象学的な知覚を重視した。このように観者と作品、あるいは主体と客体を不可分的に結合させようとするミニマリズムの手法が、批評家、M・フリードのエッセイ「芸術と客体性」(1967)によって批判されたことは有名である。モダニズムの作品経験が「いま、ここ」の無時間的な即時性のなかで立ち上がることを重視したフリードは、ミニマリズムに見られる「状況」の演出、持続的な時間性、観者との双方的な関係のなかで作品の現前性を高めようとする操作などを「演劇性」の概念のもとに批判した。

著者: 沢山遼

参考文献

  • Minimal Art: A Critical Anthology, Gregory Battcock(ed.), E.P. Dutton & Co., 1968
  • Minimalism: Art and Polemics in the Sixties, James Meyer, Yale University Press, 2004
  • 『批評空間(第2期臨時増刊号) モダニズムのハード・コア―現代美術批評の地平』, 「芸術と客体性」, マイケル・フリード, 大田出版, 1995

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