2019年06月15日号
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ミニマル・デザイン

Minimal Design

「ミニマル・デザイン」とは装飾を排除した、必要最低限の機能からなるデザインのことである。近現代の美術・音楽におけるミニマリズムは、1960年代に盛り上がりを見せた「最小限の美学」だったが、これに対して、デザインの世界では20世紀前半にモダン・デザインが確立され、その源流・過程で、「装飾は罪悪である」(アドルフ・ロース)、「形態は機能に従う」(ルイス・サリヴァン)、そして「Less is more」(ミース・ファン・デル・ローエ)など、合理主義・機能主義のミニマリズムに触れる言説が生まれた。その根底には、産業や科学技術との強い結びつきがあり、製品や部材の生産・流通に関わる視点から、装飾を廃することを達成し、フォルムと機能の一致や、量産を念頭に置いた製品の規格化・標準化に至る。これは、プロダクトに留まらず、「住宅は住むための機械である」(ル・コルビュジエ)という言葉が示す通り、建築の領域にも及んでいる。こうした「革新的なミニマル・デザイン」からすると、30年代の流線型などは実は表面的で、「流行の様式」としてのミニマリズムに過ぎなかった。その後、70年代に現われた、スタイリッシュな「ハイテク・デザイン」も同様と言える。

著者: 橋本優子

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