2019年08月01日号
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メタボリズム

Metabolism

1960年代、メタボリズム・グループによって展開された建築運動。メンバーは評論家の川添登を中心に、建築家の菊竹清訓、黒川紀章、大高正人、槇文彦、デザイナーの栄久庵憲司、粟津潔らで構成されている。建築や都市の計画において、メタボリズム(新陳代謝)という時間的な概念を導入することで、可変性や増築性に対応した建築・都市空間を提示した。
グループは60年に日本で開催された「世界デザイン会議」を機に結成された。この会議に向けて発刊された『METABOLISM/1960』には、川添によって「来るべき社会の姿を具体的に提案するグループ」という宣言が記されており、メタボリズムという理念が日本の高度成長期という都市の膨張や技術の進歩といった時代性に対応したものであることがうかがえる。計画案としては、菊竹による「塔状都市」、「海上都市」、黒川による「ヘリックス・シティ」、大高と槇による「新宿ターミナル再開発計画」など、建築や都市に対するプロジェクトが提案された。実現されたものとしては、菊竹が設計したの《エキスポタワー》(1970)や黒川が設計した《中銀カプセルタワー》(1972)が挙げられるが、多くの計画案は実現されず、高度経済成長の時代が終わるとともに、メタボリズム・グループの活動は急速に失速していった。しかしながら近年、「TOKYO METABOLIZING」などの展覧会を通じて、メタボリズムは再評価されている※。

著者: 足立優太(大阪市立大学倉方研究室)

参考文献

  • 『メタボリズム 1960年代-日本の建築アヴァンギャルド』, 八束はじめ, INAX出版, 1997
  • 『メタボリズムとメタボリストたち』, 大高正人、川添登編, 美術出版社, 2005
  • 『TOKYO METABOLIZING』, 北山恒、塚本由晴、西沢立衛, 2010, TOTO出版

註・備考

  • ※2010年、北山恒、塚本由晴、西沢立衛らによって、ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展の日本館で出展された。

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