2019年06月01日号
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メディウム・スペシフィシティ

Medium Specificity

素材や媒体に固有の性質のことを示す美学/批評用語。モダニズムの美術批評の理論的展開において重視され、特に批評家、C・グリーンバーグの言説によって広まった。グリーンバーグは、モダニズム芸術の歴史を自己批判による自己純化の過程として捉え、その過程において絵画や彫刻は、各々の媒体にとって非本質的な要素を次第に削減し、媒体固有の限界を見出すと考えた。グリーンバーグによれば、絵画においては「平面性」が他の領域と共有することのない本質であるとされ、そのような還元主義的な手続きにおいて芸術領域の自律性や「純粋さ」が確保されるという。ゆえにメディウム・スペシフィシティという概念はフォーマリズム批評ともきわめて密接な関係にある。グリーンバーグの影響下に批評家として活動を開始した60年代のM・フリードもまた、絵画に特定の限界を記述することを、特にF・ステラやK・ノーランドの作品分析において重視した。またR・E・クラウスはモダニズム批評にたいする批判的な視座から、映像などの非物質的な媒体における技術的な特性を「メディウム」の見地から分析する「ポスト・メディウム」論を展開している。

著者: 沢山遼

参考文献

  • 『グリーンバーグ批評選集』, 「さらに新たなるラオコオンに向かって」、「モダニズムの絵画」, クレメント・グリーンバーグ(藤枝晃雄編訳), 勁草書房, 2005

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