2019年08月01日号
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リノベーション

Renovation

古くなった建物を建て替えることなく、既存の文脈(構造、意匠、周辺環境など)を活かしつつ、再生させること。同類の言葉として「リフォーム」「リファイン」「コンバージョン」がある。「リフォーム」は比較的小規模な増改築による内外装と設備の刷新を意味する。「リファイン」は青木茂による「リファイン建築」に見られるように、既存の構造躯体を活かして用途を転用し、まったく新しい外観と耐震構造を与え、設備、耐用年数を新築並みにすることを指す。「コンバージョン」は既存の建築の空間特性を読み替えることで新たな利用価値を生み出し、用途転用することである。「リノベーション」はこれらの言葉を包括的に表わす。「スクラップアンドビルド」を排し、「ストック活用」を目指す社会的要求を背景に、1990年代後半から多く用いられるようになった。バブル崩壊後の経済再生、サスティナビリティの模索、消費者の価値観の多様化という社会の変化に対して、「リノベーション」は、低コストで付加価値が与えられる経済性、建設における環境負荷の低減、個性的な環境の創出が期待できる手法として注目を集めている。さらに、「リノベーション」という概念は建築家に新しい役割を要請している。それは建築物単体の設計だけでなく、地域コミュニティの再活性化や新たな資産価値を生み出すマネージメントなど、デザインの領域を広げている。

著者: 打集宣善(大阪市立大学倉方研究室)

参考文献

  • 『リノベーション・スタディーズ』, 五十嵐太郎、リノベーションスタディーズ, INAX出版, 2003
  • 『リノベーションの現場 協働で広げるアイデアとプロジェクト戦略』, 五十嵐太郎、リノベーションスタディーズ, 彰国社, 2005
  • 『団地再生計画 みかんぐみのリノベーションカタログ』, みかんぐみ, INAX出版, 2001
  • 『日本建築学会北海道支部研究報告集(77)』, 「建築の『リノベーション』 事例分析による概念の把握」, 木川田洋祐ほか, 日本建築学会, 2004
  • 『都市をリノベーション』, 馬場正尊, NTT出版, 2011

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