2019年08月01日号
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リ・デザイン

Redesign

「リ・デザイン」とは、高度な次元で「完成されたデザイン」(最適解)を、さらに「最適化」することの意である。よって、先行する追求の結果に対して、その踏襲または否定、あるいは不備・不足を補完するだけの営為ではない。そもそも「営為」としてのデザインは、決して色や形を「自由自在に」生み出すことや、そのためのクリエイティヴな「わざ」ではない。むしろ、目的に適うアイディアの具現化、それに伴う現実の諸条件を「すり合わせる」膨大な試行錯誤、すなわち「妥協案」から「最適化」までがデザイン、と評してよいだろう。ちなみに、20世紀前半の先進的モダニズムにあっては、ある条件下で普遍的である、として導かれた「最適解」が絶対視される傾向が顕著だった。このことは、後続するスタイル(色や形)を決定づけ、デザインにおけるフォーマリズムと、それに対する反発を招いた。一方、北欧モダンを特徴づける「人々と社会に貢献するしなやかなデザイン」は、まさに「リ・デザインのよき系譜」である。例えばアルヴァ・アアルトは、完成度が非常に高い「パイミオ・チェア」の発表後、人間工学と生産技術(ベントウッド)の観点からパイミオを到達点とせず、また、「最適解」の神聖化をデザイナーや建築家に警告し、リ・デザインの発想でさまざまなタイプのベントウッド・チェアを追求した。これらは、単なるシリーズやヴァリエーションの展開ではない。

著者: 橋本優子

参考文献

  • 『消費社会のリ・デザイン 豊かさとは何か』, 水野誠一ほか編, 大学教育出版, 2009

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