2019年09月15日号
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ワーク・イン・プログレス

Work-in-progress

準備中、進行中、工事中の意味。現代美術の分野では川俣正の一連のプロジェクトや作品名として使用される場合が多い。川俣は東京藝術大学在学中の1970年代後半に都市空間でサイト・スペシフィックなインスタレーションの制作、展示を始めたが、84年に代官山ヒルサイドテラスでの展示「工事中」の英訳としてこの語を初めて使用したという。川俣におけるワーク・イン・プログレスは公的組織や地方自治体にサイト・スペシフィックなインスタレーション制作のプロポーザルを提出し、完成までのプロセスを作品とみなす手法を基本とする。既存の建築物に仮囲いを架けるインスタレーションや、工作物として加工、設置される橋、通路まで、その制作風景は工房制作というよりも、むしろ棟梁が若い職人や見習いを束ねて一定期間内に一丸となって構築物の完成を目指す建設現場のようである。ただしワーク・イン・プログレスの現場が本来の建設現場と異なるのは、ワーク・イン・プログレス作品がこの語の本来の意味どおり、未完性であること、そして現代美術における仮設の概念を基盤としていることだ。仮設かつ未完であること、つまり解体を含めた開放系プロセス全体が作品とみなされうる。

著者: 松本晴子

参考文献

  • 『アートレス マイノリティとしての現代美術』, 川俣正, フィルムアート社, 2001
  • 『オン・ザ・ウェイ 川俣正のアートレスな旅』, 川俣正, 角川学芸出版, 2008
  • 『川俣正 アーティストの個人的公共事業』, 「地元が主役になる ワーク・イン・プログレスとサイト・スペシフィック」, 丸尾尚子, 美術出版社, 2004

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