2019年06月01日号
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ヴァーチュアル・アーキテクチャー

Virtual Architecture

1990年代に頻繁に使われるようになった仮想建築を表わす言葉で、コンピュータを駆使してサイバースペースにつくられた建築イメージや、建築の構造の考え方を応用して非物質的な環境に実現される建築を指すが、そこから派生して、過去に重力や場所の制約を持たずに描かれた建築や、建築のリアルな性質を持ちながら構造的制約から逃れヴァーチュアルな世界で完結している空間芸術、インターメディアを前提とした世界に建築の質を実現するシステム・デザインなども含意する。そのため、非現実的な形態を示すだけの、フォルマリズムに偏った概念ではなく、リアル(現実)に対して二項対立的に置かれる概念でも ない。ヴァーチュアルとリアルの差異について、また仮に二つに違いがあったとして、その関係については積極的な議論がなされてきている。日本では、東京大学教授でコンピュータ・アーキテクトの坂村健の呼びかけで、東京大学総合研究博物館にて97年に「バーチャルアーキテクチャー」展が開かれ、磯崎新、伊東豊雄、隈研吾、青木淳、アトリエ・ワン、Foreign Office Architectsなど50組近くの建築家が参加し、展覧会カタログには鈴木博之、田中純などがテクストを寄せた。また、G・B・ピラネージによる都市の版画や「ニュートン記念堂」(1748)に代表されるE・L・ブレーの計画案なども、広義のヴァーチュアル・アーキテクチャーに含まれると言ってよいだろう。

著者: 松原慈

参考文献

  • Architects in Cyberspace, Martin Pearce and Neil Spiller ed., Academy Press, 1996
  • Digital Culture in Architecture. An introduction for the design professions, Antoine Picon, Birkhäuser Architecture, 2010
  • Virtual Architecture, Conway Lloyd Morgan and Giuliano Zampi, Mcgraw-Hill, 1995

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