2019年06月15日号
次回7月1日更新予定

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ヴィデオ・グループ

Group of Video Artists/Video Activists

ヴィデオ・アーティストやヴィデオ・アクティヴィストたちは、その当初より世界的にさまざまなグループを形成して、集団的な活動を行なってきた。その理由としては、まずヴィデオ機材が個人で使うには高価で専門的すぎたという現実的な理由もあるが、同時にヴィデオという新しいメディアに、絵画、彫刻、音楽、映画、演劇、パフォーマンス、TVなど、さまざまなジャンルから人々が集まり、脱ジャンル的なかたちで新しい試みを協力して行なっていったということがある。その活動は単なる新しい技術的な表現手段としての関心にとどまらず、反マスメディア・反芸術としてのヴィデオ表現という政治的な側面を持つことになった。つまり、資本や国家が独占してきた映像メディアや既成の権威化された「現代芸術」に対抗する、個人的な、あるいは周縁的なメディアとしてのヴィデオという考えである。この結果アクティヴィストたちの多くは単なる芸術集団ではなく、より政治的なスタンスを持ったグループを組織していった。それらの代表的なものには、例えば『ゲリラ・テレビジョン』を著わしたマイケル・シャンバーグを中心として、サンフランシスコで1972年に結成され、多くの「ゲリラ・ヴィデオ」を制作したグループ「TVTV」がある。また日本では70年代に市民ヴィデオの運動を展開した「ビデオひろば」、また中島興を中心とした「ビデオアース」などがあった。これらの運動はのちに「ビデオ・ギャラリーSCAN」を中心とした運動に展開していくことになる。最近のグループとして、2011年のウォール・ストリートの占拠にも関係したニューヨークを中心に活動する「16 Beaver」、ベルリンで書店を中心に活動を展開する「b_books」、香港で80年代後半よりヴィデオ・アートのセンターとして活動してきた「Videotage」、アピチャッポン・ウィーラセタクンを中心としたバンコクの「Kick the Machine」、リオデジャネイロでカルロ・サンソーロとエリカ・フランケルが中心となって活動した「la isle」、ソウルのアクティヴィスト・グループ「Flying City」、東京で99年以来NPOとして活動する「ビデオアートセンター東京」などがある。彼らはインターネット以降の時代において、地域でオルタナティヴなグループとして活動しつつ、国際的なネットワークを形成しており、そのなかから注目される動きやアーティストたちが生まれてきている。

著者: 河合政之

参考文献

  • A History of Video Art: The Development of Form and Function, Chris Meigh-Andrews, Berg, 2006

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