2019年08月01日号
次回9月2日更新予定

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指定管理者制度

Designated administrator system

地方自治法の一部改正により、それまで自治体か関連団体に限られていた自治体設置の「公の施設」(公園、学校、幼稚園、病院、市民会館、音楽ホールや公民館、スポーツ施設、美術館、博物館など)の管理運営を民間に開放し、営利企業やNPO法人などの団体も管理者として参入可能とした制度。2003年9月に施行された。小泉内閣(2001〜06)が掲げたスローガン「官から民へ」の一環であり、経費節減などの効率化やサービスの向上を目的とする。効率化に際して不採算部分の切り捨てが生じ得ることに加え、指定管理者の契約期間(おおむね3〜5年程度)ごとに管理者や職員が定期的に変わる可能性があるため、公益性との兼ね合いについて制度の施行以来議論を呼んでいる。美術館、博物館においては、利益追求のためのイヴェント会場化、収蔵品の持続的な維持管理の保証の喪失、調査研究および企画など長期の蓄積が必要な業務と管理者契約期間との時間的不釣り合いといった懸念材料があり、制度を危ぶむ声が大きい。県立レヴェルの規模では島根県立美術館と長崎歴史文化博物館が最初期に導入したが、前者は学芸部門を除く業務を企業に委ね、学芸部門は県の直轄とすることで上述の問題の回避を試みている。11年、芦屋市立美術博物館では指定管理者が打ち出した人件費圧縮の方針に反対して学芸員が一斉退職し、寄託、寄贈作品の引き揚げが検討されるなど問題が表面化した。

著者: 成相肇

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