2019年12月01日号
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構想力

Imagination

「想像力」(英仏:imagination、独:Einbildungskraft)と同義。この単語はラテン系、ゲルマン系ともに「像(image、Bild)」という語を含んでいるため「想像力」と訳されるのが一般的だが、場合によっては「構想力」とも訳されてきた。

日本語の文献では三木清による未完の主著『構想力の論理』(1939)が有名であるが、三木を含め、哲学的な文脈で「構想力」という言葉が用いられる場合にはほぼ例外なくドイツの哲学者カント(1724-1804)の用法が念頭に置かれている。カントによる「構想力」の定義は、『純粋理性批判』の第1版(1781)、第2版(1787)のあいだで大きな相違があり、それをカント哲学の体系のなかにどのように位置づけるかという問題自体がしばしば論争の対象となっている。ひとつ特筆しておくべき事実としては、カントの「構想力」がいわゆる「空想」や「想像」とは区別されるという事実が挙げられる。カントは「構想力」を「再現的構想力」と「産出的構想力」に区別したが、単純化すれば前者は受動的、後者は能動的な構想力に対応する。「再現的構想力」は連想の法則にしたがって表象を結合し、「産出的構想力」は悟性の法則にしたがって表象を結合するという大きな相違こそあるが、両者はいずれも「対象が現前していなくとも、対象を直観のうちに表象する」能力として定義される。

著者: 星野太

参考文献

  • 『構想力の論理(第1・第2)』, 三木清, 岩波書店, 1939
  • 『純粋理性批判(上・中・下)』, イマヌエル・カント(原佑訳), 平凡社ライブラリー, 2005

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