2019年10月15日号
次回11月1日更新予定

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総合的キュビスム

Synthetic Cubism

主に1912年から14年までのピカソとブラックの活動時期は、「総合的キュビスム」と呼ばれる。11年にキュビスムの絵画のなかにイリュージョニスティックな空間的次元を破壊するような「文字」の導入が果たされると、ブラックによって、絵具に砂を混ぜて描き、さらに画面に木目模様を模写するなどの実験が行なわれた。この実践は壁紙や新聞紙などの既製の素材を画面に貼り付ける「コラージュ」や「パピエ・コレ」へと結実し、加えて楕円状のキャンヴァスによる制作がなされるなど、タブロー=オブジェの定式を強調する作品群が登場した。つまり、総合的キュビスム期に至り、キュビスムは、絵画の物質的次元を強調することで、より視覚的世界に依存しない絵画システムの構築に乗り出したことになる。コラージュの発明に先駆けてピカソとブラックの両者が厚紙によるレリーフ作品を手がけているのもその一例である。さらには、それまで抑圧されていた色彩を再導入することを試みたいくつかの絵画が制作されるなど、多種の絵画的実験が推し進められた。

著者: 沢山遼

参考文献

  • 『キュビスム(岩波世界の美術)』, , ニール・コックス(田中正之訳), 岩波書店, 2003

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