2019年08月01日号
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設計競技(コンペティション)

Competition

建築設計者の選定方式のひとつで、複数の設計者から設計案を募り、案の優劣を比較したうえで設計案を選定する方式である。ほかに「特命方式」「入札方式」「プロポーザル方式」「資質評価(QBS=Qualification Based Selection)方式」などがある。「設計競技方式」の場合、発注者にとって具体的な設計案の提示を受けそのなかから選定できるというメリットがあるほか、経験の少ない若い建築家にもチャンスが与えられるという点で、新人発掘や若手育成といった社会的意義も大きいとされる。日本においては、比較的規模が大きく創造的なデザインが求められる建築の設計者選定の際に、この方式が採用されることが多い。丹下健三都市建築設計研究所が設計者として選定された「新都庁舎コンペ」(1985-86)は、当時戦後日本最大と言われた設計競技である。一方、「設計競技方式」のデメリットとしては、詳細な図面が求められるため、応募者にとって非常に手間がかかることが挙げられる。それに対し、「プロポーザル方式」は、具体的な設計案ではなく構想や基本的なコンセプトを募集しそれをもとに設計者を選定する方式で、「設計競技方式」に比べ、発注者、応募者双方にとって負担が少ない。さらに、「資質評価方式」は、設計者に提案を求めず、書類やヒアリング、実作の見学等をもとに実績や思想、手法などを審査し設計者を選定する方式で、アメリカ等では広く採用されている。設計者として山本理顕が選定され2007年にオープンした《横須賀美術館》は、日本において「資質評価方式」を採用した最初の事例とされる。

著者: 岡村健太郎

参考文献

  • 『都市と建築コンペティション』(全7巻), 三宅理一, 講談社, 1992
  • 『建築設計競技選集』(全3巻), 吉田研介、『建築設計競技選集』編集グループ編, メイセイ出版, 1995
  • 『建築設計競技 コンペティションの系譜と展望』, 近江榮, 鹿島出版会, 1986
  • 『10+1』No.38, 「コンペティション学序説」, 中村研一, INAX出版, 2005

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