2021年03月01日号
次回3月15日更新予定

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野武士

Nobushi

槇文彦が1979年に「平和な時代の野武士達」と題する論考のなかで紹介した、主に1940年代前半生まれの建築家らの総称。論考では早川邦彦、土岐新、相田武文、富永譲、長谷川逸子、石井和紘が野武士として言及されているが、やがて伊東豊雄や安藤忠雄らも含めた同世代の総称として定着した。当時まだ30〜40代の若手であった彼/彼女らは、国家や地方自治体をクライアントとする公共の建築プロジェクトを担っていた先行世代と異なり、個人住宅の設計を手がけ、自らの思想を発露させていた。それを槇は主をもたない戦国時代の野武士に見立てたのである。作風の大まかな共通点としては、抽象的な形態操作を得意とすること、周辺環境に対しては閉じ気味な傾向をもつことが挙げられる。野武士らの思想と活動は建築誌や展覧会で取り上げられ、イギリスやアメリカなどの海外に伝播した。80年代になり徐々に好景気を迎えると、住宅のほかに大規模な公共施設にも着手しはじめ、社会的に広く認知されていくようになる。

著者: 菊地尊也

参考文献

  • 『新建築』1979年10月号, 「平和な時代の野武士達」, 槇文彦, 新建築社, 1979

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