2019年06月01日号
次回6月17日更新予定

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集団行為

Коллективные действия(露), Collective Actions(英)

1976年に数人の芸術家たちによって開始され、その後30年にわたって観客を参加させるパフォーマンスを行なったソヴィエトの非公式芸術家たちの集団。アンドレイ・モナストィルスキーを中心とし、ニコライ・パニトコフ、ニキータ・アレクセエフ、ゲオルギー・キゼワリテル、のちにイーゴリ・マカレヴィチ、エレーナ・エラーギナ、セルゲイ・ロマシコ、サビーナ・ヘンスゲンらが加わった。またイリヤ・カバコフは観客として参加した。モスクワ郊外を舞台とし、観客は「行為」を行なうアーティストの友人や身内であった。「行為」に招待された人々は、何が行なわれるか知らされないままモスクワの郊外に赴き、奇妙なインストラクションを実行する。例えば78年に行なわれた「行為の時間」ではどのくらいの長さか知らされないまま参加者が数時間かけて森からロープを引っ張ると、ロープの最後には何もないことが判明する。モナストィルスキーはこのような一連の「空虚な行為」を、観客―参加者の意識を形成すると同時に、芸術行為を成立させるものと定義している。行なわれた行為はメモと写真により記録され、参加者たちのコメントを入れてアルバム『郊外への旅』にまとまられた。これらの「集団行為」のコンセプトには20世紀初頭のロシア・アヴァンギャルドや同時代の西側の芸術の動向、アメリカの音楽家ジョン・ケージの思想や禅の「無」の思想の影響がある。2011年のヴェネチア・ビエンナーレでは、批評家ボリス・グロイスのキュレーションによって「集団行為」の活動が世界に紹介され、注目を浴びた。

著者: 河村彩

参考文献

  • 「ソビエト現代美術 雪解けからペレストロイカまで」展カタログ, 世田谷美術館, 1991

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