2019年05月15日号
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青森県立美術館

Aomori Musem of Art

伊東豊雄を審査委員長とする完全公募制のコンペで2000年最優秀を獲った青木淳の設計により、青森市西郊・三内丸山遺跡に隣接した敷地に、06年開館した美術館である。県立野球場改築にむけた発掘調査の結果、三内丸山遺跡が国内最大級の縄文遺跡と解り、球場建設を中止し遺跡保存とセットで県立美術館・芸術パークを整備する構想が生まれた。青木は隣接する遺跡に呼応し、屋内外のトレンチと呼ばれる半地下空間に、土壁の展示空間を設けた。ホワイトキ・ューブを超えるサイト・スペシフィックな展示空間を公立美術館が常設した稀な例である。芸術パークは未成だが、県内各地に同様の構想が広まった。一方ソフト面では、館長予定者だった(※1)黒岩恭介(県立近代文学館館長に転任)に代えて、『芸術新潮』記者を務めた経験をもつとはいえ、県知事の三村申吾が兼任する異例の事態で開館を迎えた。09年、七戸町立鷹山宇一記念美術館で一連の大型展を成功させていた二科会元職員の鷹山ひばり館長を招聘してこの事態は解消された。シャガールのバレエ背景画《アレコ》4点中3点、また県ゆかりのアーティストとして奈良美智、棟方志功から、《ウルトラマン》で美術監督を務めた成田亨、ピュリッツァー賞受賞の澤田教一、寺山修司まで幅広いジャンルを収蔵している。開館時フィラデルフィア美術館から借りた《アレコ》第3幕を含む4枚に囲まれたアレコホールでは、太宰治原作の演劇や、音楽、ダンスなどが展開され、舞台芸術も重視する方針を示した。オリジナルフォントやサインなどヴィジュアル・アイデンティティは、菊池敦己によるもの。

著者: 天内大樹

参考文献

  • 『100人で語る美術館の未来』, 福原義春編, 慶応義塾大学出版会, 2011
  • 『原っぱと遊園地〈2〉──見えの行き来から生まれるリアリティ』, 青木淳, 王国社, 2008
  • 『青木淳 JUN AOKI COMPLETE WORKS 2: AOMORI MUSEUM OF ART』, INAX出版, 2006
  • 『原っぱと遊園地──建築にとってその場の質とは何か』, 青木淳, 王国社, 2004

註・備考

  • ※1:青森県立美術館設計競技の概要,http://www.aomori-museum.jp/ja/about/architecture/competition_detail.html

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