辻村慶人: 2009年9月アーカイブ




こんにちは。オードリーです。
今日は、パリで開催中、マックス・エルンストの展覧会の紹介です。


ernst.jpg

初めてアートの本を買ったのは、私が中学生のころで、それはマックス・エルンストについての本でした。そして今、彼の作り出すイメージが、私の物の見方にものすごく影響を与えているということに気がつきました。
9月13日まで、パリ、オルセー美術館ではマックス・エルンストのコラージュ作品のいくつかを見ることができます。「Une Semaine de Bonte(慈善週間)」と題された展覧会には、オリジナルのコラージュ作が184作品集められています。

The first art book I bought back in junior high, was one about Max Ersnt, I realize now that his imagery really influenced my perception of things.
Till September 13th, Orsay Museum shows some of his collage works. 'Une Semaine de Bonte' (A week of kindness) gathers 184 original collages.


tmp_9af719a72fb22cadfc4e0f596540d7bd.gif

エルンストは、かつてそれぞれに曜日の名前を付けたコラージュの本を5冊作りました。当初の彼のアイデアは、創世記(神は1週間で世界を創造した)と関係づけることでしたが、1934年に4冊を発行し終えたものの、たいして成功とは言えず、そこで彼は既に出版した4冊に1冊を加えてセットとしました。そしてその5冊のセットは、とても良くデザインされたブックレットになりました。

Ernst made 5 books of collages, named after the days of the week, his first idea was to relate them to the genesis ( God built the world in a week). But after he published 4 of them in 1934, the success wasn't there, and he decided to publish them in a very nice designed set of 5 booklets.


tmp_1c1c0eafde589db6777cc60c89057c2d.gif
tmp_7bc3ee44e7a3c827f6e4773b6690547f.gif
エルンストは、これらのコラージュを1933年のイタリアに滞在中に制作します。そして第一次世界大戦に参戦した後、当時の多くの男性と同じように、戦争の恐怖を目の当たりにし、戦争が終わるとまた社会へ復帰して、そこで自分の居場所を獲得しなければいけませんでした。エルンストの場合は、大量の暴力を表現することで当時の社会を描写します。コラージュのテーマは、拷問から火事、洪水、セックスにまで及びます。

Ernst made these collages while in Italy in 1933, after he took part in the first World war, like many men he had to experiment the horror of the war, then  when it ended he had to get back in the society and find a place in it. Ernst does the portrait of this society, with a lot of violence. The theme of the collages, go from torture, to fire, flood, sex...


tmp_0234366a827a96004700dddf8ce1242f.gif

彼は自分の作品に絵本や暗黒小説を使いました。作業の緻密さゆえに、どこが切り貼り部分なのかわからないほどです。またモノクロであることが、いっそう、それをわからなくしています。
モンスターが繰り広げる、ロココ調のサロンでのSMセックスパーティ。。。この展覧会を見ている間、私はファッションデザイナー、高橋盾(Undercover)のことを考えずにはいられませんでした。彼のコラージュへの愛、そして彼の作り出すドールのことを。
展覧会はまもなく終焉を迎えますが、フランス文化ラジオのポッドキャストを聞くことができます。展覧会のキュレーターでありジャーナリストであるWerner Spiesさんの案内です(フランス語!)。

He used some illustrated books for the collages and he technically did such a so precise work that it's difficult to see where he cut and pasted. The monochrome of the images helps the trick.
Monsters are having SM sex parties in rococo salons.. I couldn't help thinking of Jun Takahashi while seeing the exhibition, his love for the collage and the dolls he makes.
This exhibition is about to finish but you can listen to podcast, a visit of  Werner Spies,  the curator  and a journalist on radio France Culture ( in French!)




こんにちは、オードリーです。
今回は、パリの13区で見つけた地球儀(球体)の話です。


globes.jpg
globe-2.jpg

ヴェニスの地図製作者であったヴィンチェンツォ・コロネッリは、Le Roi Soleil(太陽の王様)として知られる、フランスの王、ルイ14世よりふたつの球体の制作依頼を受けました。

ヴィンチェンツォは、2年の歳月を費やし、それぞれの重量2トン、直径387センチの2つの球体を完成させたのです。ひとつは宇宙を表現していて、美しい動物の形をした星座を見せてくれます。



Coronelli_Portrait_2.JPGVincenzo Coronelli (1650 - 1718)



そして、もうひとつは地球を表しています。これは歴史的にも、また地理的にも興味をかき立てられるものです。カリフォルニアは島であり、日本は存在せずに、オーストラリアの境界は、はっきりしないところがいくつかあります。この地球儀は、ルイ14世の権力を誇示するためであり、フランスの植民地や大陸発見を示すために作られました。なので、中立というわけにはいきませんが。。。


globe-3.jpg


それでも、この2つの球体の美しさは信じられないほどで、驚くべき仕事です。木の骨組みをキャンバスが覆っていて、ペインティングは緻密で強烈で、丸い表面を見ていると目をどこで止めていいのかわからなくなります。

この2つの球体は、サイズの大きさのためあまり世間の目に触れることはありませんでしたが、あの美しいフランス国立図書館(フランソワ・ミッテラン図書館)で現在公開されています。
もしパリにお越しの際は、お出かけください。目にする機会は、めったにないでしょうから。


BNF.jpgBNF ( Library Francois Mitterand)/フランス国立図書館(フランソワ・ミッテラン図書館)


 Vincenzo Coronelli a Venetian  cartographer was asked to build these two globes for French king Louis XIV, Le Roi Soleil.
 It took him 2 years to build the pair, each of them weights 2 tons and  have a diameter of 387 cm. One represents the cosmos showing some fantastic animals shaped constellation.

 And the other shows the earth, the piece is historically and geographically interesting, California is an island, Japan doesn't exist, Australia has some blurred limits, the globe had for mission  to show the power of Louis XIV, the French discoveries, colonies... not neutral.

 But it's aesthetically that the globes are unbelievable, an amazing work, they made of a wooden structure covered by a canvas. The paintings are precise and intense, eyes don't know where to stop while looking at the round surface.


globe-1.jpg


 Due to their size, the globes didn't appear  that much since their making, but  they are now showed in the beautiful BNF ( Library Francois Mitterand).

 If you're in Paris, go see them, we might have never seen something like that.






少し前に買った2冊の雑誌に、アメリカの産婦人科医、ジョージ・ティラー医師の殺害事件に関する長い記事が出ていた。
ひとつはNewsweek8月23&31日号、もう1冊はEsquireの9月号。それぞれ6ページと11ページ(!)。

carhart.JPG
hern.JPG

当時のニュースがこれ。
www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2607491/4214838


僕はこの事件を知らなかったけれど、今さらながら、どちらの記事もとても興味深く読んだ。
Newsweekの方は、ジョージ・ティラーのクリニックでも働いていたリロイ・カーハート医師、そしてEsquireは、ティラーの長年の友人だったウォーレン・ハーン医師。2人とも後期中絶を扱う医師で、記事は彼らの置かれた状況を丁寧に取材していて興味深かった。(Esquireのタイトル「The Last Abortion Doctor」というのは間違いでは?カーハート医師含め、まだ何人か後期中絶を施す医師はいるらしいんで)

彼らのことをヒーローと考える女性がいる反面、プロライフ派からの脅迫、暴力は日常茶飯事で、ライフルを横に眠る日々、家族との外食もろくにできない上に、医師の間でも彼らはひどく蔑まされた存在だという。「これはもはや論争ではなくテロだ」とハーン医師は憤る。


遠く離れた安全な日本から、宗教観も違う人々のことを、バカだとか気狂いだとか避難することも、また医師たちをヒーローだと賞賛することも簡単だけど、それではちょっとしたドラマにしかならない。

ケーブルネットワークで最高視聴率を誇るニュース番組、ザ・オライリー・ファクターでの、ビル・オライリーと、作家ジョアン・ウォルシュとの対決。



www.salon.com/opinion/walsh/politics/2009/06/12/oreilly_walsh/?source=newsletter



ブロガー

月別アーカイブ