よろしくお願いします

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藤川 哲です。この2月から4月末まで、加治屋健司さんと一緒に「アート日報」を担当することになりました。
どうぞよろしくお願いします。
普段は、山口大学人文学部で美術史の講義を担当しています。
森司さんとは、私の前職、群馬県立近代美術館学芸員時代からのご縁で、声をかけて頂きました。このような素敵なコーナーを任せてくださって、本当に有り難うございます。


このコーナーのお話を頂いて、最初に考えたのは、「自分なりに名前をつけてみよう」ということでした。念頭にあったのは、某新聞の「天声人語」や「夕陽妄語」です。

ここ数年、私は国際美術展の調査や研究をしています。artscapeに発表の機会を頂けたのも、そうした脈絡からかな、と推理しています。しかし6月や9月であれば、海外の国際美術展を巡る予定があるので、そうした見聞をご披露することもできますが、普段、私が生活している場所は山口ですから、読者の方々にどのような情報を提供できるのか、気後れする部分もありました。

そこで思い出したのが、雑誌『国際交流』で読んだ、オクタビオ・パスの言葉でした(第100号)。「独楽の落つるところ、すべての場所が世界の中心になる」といった内容が紹介されていたと記憶していますが、この言葉は、ネットで調べてみると「子供がそれを投げるたびに/独楽はまさしく落ちる/世界の中心に」という、俳句に影響を受けた3行詩からきたものでした(出典サイト=「松山宣言」)。
独楽が回っている。しかし、独楽の方へ視点を移せば、独楽の周りで宇宙が回っている、と、この詩人の想像力を追想できます。

この着想を借りて、ここ数日、漢字辞典とにらめっこしながら「落錐旋天」、「一言回天」といったような言葉を案出していたのですが、結局、今日に至るまで、ぴたりとくるものに到達できませんでした。ちょっと大仰な感じがして、気恥ずかしいというのが主な理由です。

漢語のセンスがないことも痛感します(最近、中国哲学や日本思想史の先生方から、辞書を頼りにするのではなく、『史記』を読むよう、助言を頂きました)。

結局、今日、四字熟語の辞典をあたり、「天高気清」、「事上磨錬」、「覧古考新」、「北窓三友」など、パスの詩想から離れて、自分の気分に合う言葉を探したところ、「行雲流水」が一番しっくりきました。
あれこれ理屈っぽい割に、最期はフィーリング勝負、という辺り、いかにも私らしい、と納得しています。


「行雲流水」で日々の考えを綴っていきます。3ヶ月間、どうぞよろしくお付き合いお願い申し上げます(4-5日に1回ペースで更新の予定です)。

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道場門前大駐車場の屋上から小郡方面を望む 2009年2月1日16時46分(晴れ時々曇り)

ブロガー

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