山口圏

| | コメント(0)
学生たちと津和野へ行ってきました。

毎年この時期、卒業生の「追い出しコンパ」を兼ねて、1泊2日の小旅行へ出掛けています。企画は研究室の3年生の担当で、2007年は萩に泊まって山口県立萩美術館・浦上記念館を見学したり、高杉晋作誕生地などの歴史的な街並みを散策し、2008年は三隅町立香月美術館を見学して、湯免温泉につかりました。

津和野へは、山口から電車で約1時間20分。街全体にくつろげる雰囲気があって、小旅行にはぴったりの場所でした。

初日は朝10時頃出発してお昼前に旅館にチェックイン。五大稲荷の1つと言われる太皷谷稲成神社へお参りし、西周旧居、森鷗外旧宅を訪ねて、杜塾美術館を見学しました。
杜塾美術館は、津和野藩の筆頭庄屋屋敷を修復した美術館で、同地ゆかりの中尾彰・吉浦摩耶夫婦の作品のほか、マドリード国立銅版画制作室によって1983年に制作された、ゴヤの「闘牛技」40点が展示されています。

帰り道、本町通りで地酒の味見ができました。初陣、魁龍、華泉と銘柄ごとに造り酒屋が並んでおり、普段はお酒を飲まない学生も、少量ずつ味の違いが比べられる機会を楽しんでいました。

今日は、津和野町立安野光雅美術館と葛飾北斎美術館を見学しました。

安野光雅美術館は2001年開館と比較的新しく、2つの展示室のほか、昔風の小学校の教室や安野光雅のアトリエ、プラネタリウムなども併設されています。
故郷というものが、誰にでもある子ども時代のことだとしたら、そうした「故郷」へと通じる道が津和野にはある、といった趣旨の安野光雅さんの言葉が紹介されていて、心に残りました。

葛飾北斎美術館は、初刷りの『北斎漫画』が津和野で発見されたことを機縁として設立された美術館で、肉筆画や浮世絵版画、門人の作品や資料などが展示されています。


学生たちと一緒にこうした美術館を巡りながら、私は、安野光雅さんについて卒論を書こうとした学生がいたことや、私が着任してからの過去7年間に葛飾北斎について2本の卒論が提出されていることなどを思い出していました。

津和野は島根県、という意識ではなく、山口から1時間ほどで行ける「山口圏」と考えて、北斎についての研究室蔵書や、学生に紹介する機会を増やしていこう、と考えたのでした。

20090220blog.jpg
津和野町立安野光雅美術館 2009年2月20日14時31分(曇りまたは小雨、のち晴れ)

ブロガー

月別アーカイブ