狩野哲郎展『moving/atmospheres』@試聴室

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引き続き2ヶ月ほど前に書いておいてアップするタイミングを逃していた代々木上原の試聴室での狩野哲郎展について、この勢いでアップデートします。(2ヶ月前に書いたものなので日程など色々前後しますが、ご容赦ください)

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9月1日の青森での仕事スタートに合わせて、8月31日に山口から青森に移動する途中ほんの2時間だけ東京で途中下車して、代々木上原の"試聴室"というカフェで狩野哲郎さんの個展『moving/atmospheres』を見てきました。ほんとは8月30日で展覧会は終了だったのですが、搬出前に狩野さんのご好意で見せていただきました。ちなみに狩野さんは僕が所属しているNPO山口現代芸術研究所(YICA)のレジデンスプロジェクトで9月中旬から約一ヶ月間山口で滞在制作を行う予定になっています。

実は狩野さんとお会いするのはこの日が初めてなんですが、昨年よりメールで何度もやり取りをしていました。やっと彼に山口にきてもらう直前に、僕が山口を去ってしまうという何とも申し訳ない事態になっております。
試聴室はデザイン事務所が2階にあって1階がカフェというつくりで、代々木のとても静かな住宅街にある素敵な場所です。そのカフェスペースとお庭で狩野さんの作品が展開されています。このカフェ自体「見つけた!」て感じで、発見する喜びがある場なのですが、狩野さんの作品にもそんなところがあります。注意していないと全く気づかないような、ちょっとした違和感や面白さを写真やドローイングで拾い集めていったり、さりげない場所に違和感を与えるものを投入してみたりと、「こんなところにもあった!」て感じで、鑑賞者も色んな再発見をできる心地さがあります。
『雰囲気のお引っ越し、あるいは感動的な雰囲気』という彼自身がこの展覧会に与えたフレーズからも分かるように、雰囲気という通常は移動させたりはできないはずのものを、全く違う空間に充満させようとしています。彼が遭遇したさりげない風景の写真やドローイング、あるいは果物や植物をそっと配置してみたり、透明ケースなどで小さな温室をつくってその中に植物を入れてみたりと、やっていることは本当にさりげないんだけど、そこには明らかに言葉にできないけれど"素敵な"雰囲気が存在します。
小さな温室に入れられた植物は、周囲とは異なる空気・気温により異なった時間の流れを経験している。そのちょっとした差異の面白さ。透明な壁の内側と外側で異なった次元が経験されます。そして、それらをひとつのインスタレーションとして僕らは体験します。温室の中で成長していくものたち、あるいは朽ちていくものたち。様々な時間がそこに移植されて一つの"雰囲気"を醸し出しています。

トータルで9時間の新幹線移動の途中で、慌ただしかったけど、中休み的に心地よい時間を体験できた気がします。ただ、心地よすぎてのんびりしてたら新幹線の乗り換え時間が迫って結局最後は慌ただしくお別れしました。狩野さん、また今月末山口でお会いできるのをたのしみにしております。


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と、懐かしい記事でした。
現在はもう山口での滞在制作も終わってしまって、横浜での新たな展覧会がスタートしています!
黄金スタジオでの「ジカンノハナ」展は11月28日までです。

そして、その次の展開は??

ブロガー

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