大晦日にここ数週間を振り返ってみる。(その1) flashback 01

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こんにちは。
12月のオープン以来おかげさまでMidori Art Center (MAC)は来客も多く超大忙しです。ついでにACACの仕事の方もかなり予定が詰まっていて、なかなか大変です。ここ最近ほんとうにびっくりするほど忙しくて、まったくブログのアップができていませんでした。申し訳ないです。
ついに大晦日になってしまって、僕は今名古屋にいます。なんとか年内にひとつは記事をアップしたいと思っていたので、今年の締めということでMACオープン直前からの12月の3週間程度を日記的に回想してみます。

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12/11 青森県立美術館と十和田市現代美術館にてラブラブショーというグループ展の内覧会に
ACACのレジデンスアーティストともに参加しました。 アーティス トとアーティストが出会う、アーティストと建築が出会う、美術館と美術館が出会うetc.て感じの現代美術展です。新作も結構あります。どの展示も非常に ゆったりした空間が与えられており、なかなかいい展覧会でした。ただ、コラボレーションとしてガッツリ新作を制作したのは奥村雄樹×曽我部恵一のチームの みという印象です。多くのカップリングでは、既に片方の作家が存命していなかったりで、どちらかというと作家から作家へのオマージュ的なものが多かったで す。例えば、松村泰三さんの立石大河亞さんに対するものだったり、伊藤隆介さんの岡崎京子さんに対するものだったり。あるいは菊池敦己さんと斎藤義重さん のように、ある作家の要素をもう一人の作家が抽出して読み込んで、それを再構築したりというものもありました。
爽快さと粘着性を兼ね備えた奥村×曽我部さんの作品、伊藤隆介さんが拡張したミニチュア空間、そして桑原弘明さんの小さな箱の中の精妙でリアルな光などが、個人的には印象に残っています。
まだ十和田の方は行ってないけど、素敵な展覧会でお勧めです。是非冬の青森へ見に来てください。

091211lovelove.jpg↑ラブラブショーです。



12/12 ACACで1月にワークショップ&展示をお願いしている奥村雄樹さんが会場下見のためACACに来館。打ち合わせと当日の進行や下準備などの確認をしました。また、この日は2時から秋AIR展「HOME」参加作家の大西康明さんによるトークを実施。狩野くんや奥村くんやその他のACACレジデンスアーティストなど、アーティストが何人もトークを聞きにきてくれて、最後には興味深い議論に発展しました。大西さんは彫刻科出身で学生時代は木彫やブロンズなどのいわゆる彫刻を勉強していて、そういうものを今制作することに違和感を感じていて、そこで現在のような作品を作るようになったそうです。ただそれでも自身の作品を「彫刻」あるいは「彫刻的インスタレーション」として位置づけています。そんな話の流れで、お客さんから「インスタレーションて結局どう いう定義なんですか?」という質問があり、それぞれの作家がそれぞれの立ち位置でインスタレーションについての意見を述べるという面白い展開になりました。結局それぞれの作品の作り方やスタンスによって定義法は様々で、奥村くんは今回のラブラブショーへの彼の出品作品を「ミクストメディアビデオインスタ レーション」と位置づけており、狩野くんは自身の作品のあり方は絶対的にインスタレーションで、その定義を「様々な要素を配置あるいは構成して生成した空間全体を作品とするため、その空間全体をひとつの作品としてインスタレーションと呼ぶようにしている」というようなことを言っておられました。このように、ちょっとした質問から作家それぞれのスタンスや作品に対する思考法が見えてくるのは非常に興味深かったです。下見&トーク終了後はMACにて看板の設置や作品制作の追い込み作業。狩野くんは空間実験室の展示もこの日の夜一晩で制作しました。

091212onishi.jpg 091212mac_zenya.jpg↑上:大西さんのトークの様子、下:夜明け前のmac


12/13 MACオープニング企画 狩野哲郎滞在制作展「Naturplan」が無事スタート。そしてACACでは秋AIR展「HOME」が最終日を迎える。さらに青森県立美術館と十和田市現代美術館ではラブラブショーという展覧会が前日よりスタートしたこともあって、それらの関係者なども混じりつつみんなでMACオープンの宴を堪能しまし た。狩野くんによるMACと空間実験室の作品ガイドツアーなども敢行され、新しい門出を祝ういい1日でした。ちなみにオープニング模様は前回の投稿で詳し く報告しています。

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12/20 ACACの所属する青森公立大学の学生主催の社会起業家支援サミットという企画に参加。アートと社会企業という分科会(ちょっとしたシンポジ ウム)のコーディネーターを担当。秋田でココラボラトリーというスペースを運営している笹尾千草さん、青森市内で「もぐらや」という居酒屋を営みながらミュージシャンとして活動したりイベントの実施やレーベルでのCD制作など幅広い音楽活動を展開している株式会社あかつき堂の熊谷暁人さん、八戸市の市民参加型モデル倶楽部のオーナー黒島さんをパネリストに約1時間半のシンポジウムを実施。皆さんそれぞれに面白かったけれど、司会としては全体をアートという枠組みでまとめるのが大変でした。


12/22 中崎透が来青。取り急ぎ、濃ゆい忘年会に参加して色々な人と顔合わせ。すごく濃厚なワインで溶いたチーズフォンデュと日本酒が美味しかったです。


12/23 早朝から岩手県花巻市を訪問。萬鉄五郎記念美術館で開催中の『集団N39 1962年−1969年』を鑑賞。なかなか凄まじい展覧会でした。東北でこういう前衛運動が起こるのも面白いです。

以下美術館のウェブサイトより。

1922年、萬鉄五郎が日本のアバンギャルドの先陣を切る。―それから50年 大阪・具体美術、九州派、東京・ネオダダと期を同じくして、戦後日本の前衛美術の開花を担い北の地盛岡に<怪現>した先鋭美術集団N39の軌跡を顧みる・・・。

091223_syuudan-N39.jpg だんだん体調がわるくなってきたことを自覚。胃腸がどちらも最悪で、寒気はするしなんだかつらくなってきました。

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