先日、とあるロンドンのグラフィックデザイナー達との夕食会に参加しました。Åbäkeというデザイングループで現在とある機関のアーティスト・イン・レジデンスで東京に滞在中です。実は彼ら、僕がRoyal College of Artに留学していた時のチューターです。グループ名からして「どうやって読むの?」と思われる方もいらっしゃいますが、実は読みからして解釈は様々。「アバケ」、「オーベーク」、「オバケ」と人によって読み方も様々です。これまでも様々なデザインプロジェクトやDesignTideなどのイベントで来日していた彼らですが、今回の滞在は3ヶ月と長期間でこれからどんな活動をしていくのか非常に楽しみな人たちです。
ともすれば日本を含む文化圏や先進国においてデザインとは非常に表層的な観点から行われる事がありますが、彼らのアプローチはまったくその逆をいくもので、彼らのデザイン哲学においてはコンテキスト、リサーチ、日常、実践といったキーワードはとても重要なものです。
既に彼らのユニークな活動はスタートしていて、来日して成田空港から滞在先までまっすぐに向い、そこから一週間強の期間一歩も出ずにその環境を内部から知る、というプロジェクトを既にスタートしています。その一環で僕や他の友人・知人関連を招待しての食事になりました。実際にどうやって食事などは調達しているの?と疑問に思われるかもしれませんが、親しい友人達にしばらく差し入れをして貰っていたそうです(笑)。僕が日本には素晴らしい出前のシステムがあるよ!と伝えたらとても興味深そうにしていました。はじめは既に来日する前に日本の社会構造や問題をリサーチして、ひきこもりやニートといった問題を踏まえてのコンセプトだと思ったのですが、むしろ彼らがこれから長期間活動する拠点となるレジデンスの環境を内部からよく知るところからはじめよう、というコンセプトだそうです。
活動の拠点ロンドンにおいて彼らは非常にユニークなワークショップやレクチャーを頻繁に開催しています。日本でもお馴染みなものでは「Total Trattoria」という夕食会のイベントがありますが、これはプロダクトデザイナーで親交の深いMartino Gamperや知人達で開催された会で、出される食事はもちろんの事、使用される食器や机、その他必要なものを彼らがデザインをして友人を振舞う内容になっています。その様子が収録されたブックレットも出版されています。
先日の夕食会はマイ箸を持参で各自得意料理の具材を用意してその場で作る、という事になっていましたのでそんな彼らに喜んでもらえるものと思い、ユニークな野菜寿司の具材を用意してワークショップ感覚でみんなで楽しくお寿司を作りました。
彼らの基礎にある哲学や活動はいまの自分のに非常に大きな影響を与えています。それについては次回の投稿で書きたいと思っています。それまでに下記のURLにて彼らの活動やTotal Trattoriaについて読んで知ってみてください。
http://www.myspace.com/abakespace
http://www.dezeen.com/2008/03/10/total-trattoria-by-martino-gamper/
http://imomus.livejournal.com/124195.html