先日の食事会の途中でÅbäkeのMakiから思わぬものをもらいました。手渡されると、それはロンドンに住んでいた人なら非常に馴染みの深い、tube(地下鉄)のマップ。「開いてみて!」とMakiから言われてなにげに開いてみると、中もこれまで見慣れていたマップが印刷されています。でも良く見るとなんだかシンプルになっている。。。その次の瞬間気づいたのはTubeのマップの中心に描かれていて、かつそのマップのシンボルとしても機能していたテムズ川が見事に削除されている事!さすがに驚きました。リサーチしたところ昨年Tubeのマップをリデザインした際に様々なディティールに変更を入れ、その中にテムズ川を取り除くという案も盛り込まれていたのです。もちろん他の修正に関して見やすくなったな、と思うところも多々あるのですが、さすがにテムズ川の件はロンドン市民から大避難がおこったらしく、おなじくMakiから手渡された昨年12月版のマップにはしっかりとテムズ川がカムバックする、という結果になったみたいです。
そんな12月までのテムズ川のないマップにMakiがひょこっとグレーの紙を上にのせました。よくみると、、、。
Tubeの地図と同じサイズの紙に、ありし日のテムズ川を書いて、町の地図の中にこの紙を差し込んだみたいなんです!なんというか、本当に彼らほど日常生活とものを考えていること、つくることがつながっている人もいないなぁ、と思いました。突拍子もないデザインやスタイリッシュなデザインでなく、なにか日常の小さな問題から大きな問題までちょっとしたアイデアで手助けできたり問題解決ができる可能性をデザインという行為が持っていることを実感しました。日本に帰国してしばらくして、彼らのような本当にピュアな心でものづくりをしていくことがむずかしかったり、間に合わせで形を作ってしまっていた自分に反省するとともに、なんだか忘れていたロンドンのフレッシュな空気が通り抜けていった感覚でした。いやぁ、それにしてもこの作品は敵だなぁ。
そんな彼ら、ある日本人アーティストとなにやら変なイベントを企画しているようです。まだオフレコですが近いうちにその話もレポートできると思いますのでお楽しみに。