日本を代表するグラフィックデザイナー、イラストレーターの和田誠(1936~2019)にとって、映画は人生の友であり、創造の泉でもありました。
少年期からの映画への情熱に支えられ、若手デザイナーとして頭角を現すや、本職の傍ら映画ポスターの制作やアニメーション映画にも挑みました。やがてその味わいある画風は広く支持され、世界の映画人を描いた無数のイラストレーションや、映画をめぐる著書や対談集を続々と送り出してゆきます。さらにその情熱は日本映画界を動かし、監督修業の経験なしに『麻雀放浪記』(1984年)をはじめ4本の優れた長篇娯楽映画を監督するに至りました。
また私生活でも、熱意をもってアメリカ映画のフィルムやポスターのコレクションを築き、当館も2015年の展覧会「ポスターでみる映画史 Part 2 ミュージカル映画の世界」にそのコレクションをご貸与いただきました。
その博覧強記にもかかわらず、「評論家」ではなく常に“映画ファン”を自称していた和田誠。この展覧会は、日本が生んだこの最高の“映画ファン”の限りない映画愛を感じ取れる絶好の機会となるでしょう。[公式サイトより]