由井武人による絵画展を開催いたします。

●作家コメント
「運動する色」 
 はじめに言葉があったわけではなく、風景のスケッチをもとにアトリエで描いた小さいドローイングを見た時に「運動する色」という言葉がパッと頭に浮かんできました。理由や意味は分からず、それでも今考えていることや目の前の絵にしっくりくる言葉だと直感的に感じて、個展のタイトルとしました。
 器などの静物や、人物なども以前描いていましたが、最近は風景や紋様のようなものを描いている時に気持ちと絵がつながりやすく感じます。
その場所の風景を描きたいというよりも、木の枝ぶりや樹影の動きやリズムを借りて手を動かしている感覚です。今の自分は、運動そのものを描きたいのかもしれません。
 そこでふと、静物が止まっているもの、人物や動物が動いているものだとすると、風景は静と動で定義した時にどちらになるのだろうかと思いました。そう考えた時に、思考が中動態という文法用語と結びつきました。能動でも受動でもなく、わたしが見ている風景は、わたしが風景を見ているという行為の過程の中で動いているのではないだろうか、そのようなことを考えながら、今の絵を描いています。