現在、十日町市街地の通りや街角で目にする多くの石の彫刻作品は、1995~2014年の20年にわたり開催された「十日町石彫シンポジウム」で制作・設置された作品群です。猛暑の夏にも、豪雪の冬にも耐えて、すっかり街の風景に溶け込み、十日町を特徴づける景観のひとつとなっています。シンポジウムの最終年となった2014年から、当館では「十日町石彫プロムナードの作家たち」と名付けたシリーズ展を開催しています。今年は 尾崎慎、本多正直、明地信之の3人の作品を展示いたします。
2003年当時、半具象作品を制作していた尾崎は「雪像の国際大会に参加して、雪像を作ることで表現がより自由になった」と現在は抽象表現に移行しています。
本多は人物表現を主とし、石だけでなくテラコッタなどあたたかみを感じる素材で平和を希求する心を伝えます。
動物をモチーフとする明地の作品には、単体ではなく複数で表される動物たちが多く、共存あるいは共生ということを考えさせられます。
それぞれに表現は異なりますが、人や動物へ向けられる優しい眼差しがあります。それと同時に、今を生きる私たち自身の選択がどんな未来を目指しているのかと問いかけられているようにも感じます。さまざまな感じ方で、三者三様の世界をぜひお楽しみください。
【同時開催】開館30周年 人間国宝 刀匠 天田昭次 展
天田昭次(1927-2013)は、当館が開館する1996年に刀剣界最高賞である「正宗賞」を受賞、これは師の生涯3度目の受賞となりました。翌1997年には重要無形文化財(日本刀)技術保持者(人間国宝)に認定されます。
「刀は地鉄」という考えから自家製鉄にこだわり、寡作で知られる天田師ですが、当館では幸運にも3度目の正宗賞受賞作である備前伝の太刀と、同年に作刀され天田師生涯の傑作と言われる山城伝の太刀「号 末広」をはじめ、円熟期の作を中心に収蔵することが出来ました。
今展では最晩年まで心血を注いで取り組まれた相州伝の作も含めて、館コレクションを展示します。