フォーカス
「現代美術用語辞典 ver 1.0」から「Artwords(アートワード)」までの10年を振り返る
暮沢剛巳/足立元/沢山遼/成相肇
2013年01月15日号
artscape2013年新春号のフォーカスは、「Artwords(アートワード)」(「現代美術用語辞典 ver.2.0 β版」より改称)1,500項目突破を記念して行なわれた座談会の内容を掲載します。
この討議では、1999年に同辞典ver. 1.0を監修した暮沢剛巳氏と、2012年にver. 2.0の近・現代美術分野を執筆した足立元、沢山遼、成相肇の三氏により、辞典に収録された用語とそれらが生まれた時代背景を手がかりとしながら、この約10年間(1999-2012)の美術シーンを振り返っていただきました。本号ではその前半部分をお送りします(後半は2月15日号にて掲載予定。おもなトピックは以下を参照)。
また、本号では、新しくなった用語辞典「Artwords(アートワード)」とartscapeの各記事をリンクさせる試みとして「アートワード・マッチ」ボタンをリリースしました。重層的なコンテンツ発信をめざして今後も継続的にこのツールの精度を高めていくとともに、2013年のartscapeは、これまで以上に良質なコンテンツを多角的に発信してまいります。どうぞご期待ください。
「Artwords(アートワード)」
新URL=http://artscape.jp/artword/
*「アートワード・マッチ」ボタンについては上記URL内の「アートワードの使い方」をご覧ください。
「現代美術用語辞典 ver. 1.0」
URL=http://artscape.jp/dictionary/modern/index.html
目次
第1部
0. イントロダクション──「美術用語辞典」への関わり方
1. 美術における「インフラ」の問題
○新しいコンセプトの美術館の建設──金沢21世紀美術館、地中美術館、青森県立美術館など
○美術館巡礼と旅
○まちづくりと美術館リニューアル
○建築系展覧会と作品としての美術館
2. 国際展とキュレーション/編集の問題
○国際展の開幕ラッシュ──妻有トリエンナーレ、横浜トリエンナーレ、あいちトリエンナーレなど
○キュレーター/アート・マネジメント
第2部(2013年2月15日公開)
3. 戦後日本美術を再検討する展覧会
○「具体」──ニッポンの前衛 18年の軌跡(国立新美術館、2012)
○「日本画」の前衛 1938-1949(東京国立近代美術館、2011)
○「TOKYO 1955-1970」(Moma、212)
○エイドリアン・ファベル『Before and After Superflat: A Short History of Japanese Contemporary Art 1990-2011』
○尾崎信一郎「重力」展、「痕跡」展画
4. 戦争画
○「会田誠」展
○アジアのリアリズム展
○鶴岡政夫
5. 境界領域の展覧会
○増える建築系展覧会──石上純也、建築模型
○「石子順造的世界──美術発・マンガ経由・キッチュ行」
○「東京国際マンガ図書館」オープン
○メディア・アートの歴史化
6. アーカイブ、記録、インターネット
○展覧会図録の変容──長時間化と記録媒体
○展覧会のカタログ化
○9・11と3・11──アーカイブのアーカイブ化
○美術批評の危機?
○「炭鉱」展──産業考古学的資料
○『尊厳の芸術展 -The Art of Gaman-』
7. 言説編
○美術評論の衰退と小さなメディア
○美術批評の「御三家」
○椹木野衣、岡崎乾二郎、松浦寿夫、林道郎……
○「新しいメディア」?