2017年11月15日号
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アレ・ブレ・ボケ

Are, Bure, Boke(rough, blurred and out-of-focus)

中平卓馬や森山大道といった『プロヴォーク』(1969創刊)の写真家たちに特徴的な手法で、当時、第三者からは「ブレボケ写真」と総称された。彼らの写真に特徴的なノーファインダーによる傾いた構図、高温現像による荒れた粒子、ピントがボケてブレた不鮮明な画面は、既存の写真美学——整った構図や美しい諧調、シャープなピントなど——に対する否定の衝動に由来しており、反写真的な表現のラディカリズムを追求するものであった。中平によればそうした写真は「視線の不確かさ、と同時に世界の不確かさをひきずりだし、それを対象化する」ものであった。しかし、その後70年代には多くのエピゴーネンを生み、広告表現にも使用されるなど、初発のラディカリズムは次第に骨抜きにされていった。76年には『アサヒカメラ』誌上で「ブレボケはどうなった」という特集が組まれるが、「時代遅れ」の手法として揶揄するような側面が強い誌面となっている。森山や中平たちは50年代のニューヨークを荒々しい手法で撮影したウィリアム・クラインの影響を受けていることを告白している。

著者: 小原真史

参考文献

  • 『なぜ未だ「プロヴォーク」か 森山大道、中平卓馬、荒木経惟の登場』, 西井一夫, 青弓社, 1996
  • 『写真よさようなら』, 森山大道, 写真評論社, 1972
  • 『来たるべき言葉のために』, 中平卓馬, 風土社, 1970
  • 『déjà-vu』第14号, 特集=『プロヴォーク』の時代, フォトプラネット, 1993

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