2017年06月15日号
次回7月3日更新予定

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コンピュータ・グラフィックス

Computer Graphics

「コンピュータ・グラフィックス(CG)」という言葉を初めて使ったのは、ボーイング社のW・フェッターとされるが、それは「コンピュータで可視化された情報全般」を意味していた。彼らの開発したパイロットのシミュレーション画像は現在のCGよりもむしろCAD(Computer Aided Design)の一例だが、当時、新しい絵画の登場と同質の衝撃を伴って受け入れられた事実は、その後のCGとアートの関係を端的に示している。最初のCGについては諸説あるが、1950年代にB・ラポスキーやH・フランケらがオシロスコープ上に曲線を表示する実験的作品を複数発表した。 CalComp社を代表とする「X-Yプロッタ」は高精細な図形描画を可能にし、G・ネース、F・ナーケ、C・スーリ、CTG(コンピュータ・テクニック・グループ)などが60年代CGの興隆を支えた。曲線・曲面の定義、座標変換、透視変換などCGの基本的アルゴリズムの開発も盛んに行なわれた。I・サザーランドの「スケッチパッド・システム(Sketch-Pad System)」(1963)は革新的なCADシステムであり、今日に至る対話型のユーザ・インターフェイスやディスプレイ装置の方向性を示すものであった。彼は「コンピュータ・グラフィックスにおける10の未解決問題」として、隠線処理やスムーズ・シェーディングなどCGにおけるリアリズムの追求を目指した。これを受けて70年代以降、CGは主にフォト・リアリズムおよび三次元アニメーションの方向に発展し、各種シミュレーションおよび映画やゲームなどヴィジュアル・エンターテインメント分野を支えることになった。

著者: 大泉和文

参考文献

  • Computer Graphics - Computer Art, Herbert W. Franke, Springer, 1971
  • 『ディジタル・ハーモニー』, ジョン・ウィットニー(河原敏文訳), 産業図書, 1984
  • 『テクノロジー・アート』, 三井秀樹, 青土社, 1994
  • 『コンピュータ・グラフィックスの軌跡』, 藤幡正樹, ジャストシステム, 1998
  • SIGGRAPH Proceedings, SIGGRAPH-ACM, 1978-

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