2018年08月01日号
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パブリック・アート

Public Art

1930年代のスウェーデンにおける「ナショナル・パブリックアート・カウンシル」の設立およびアメリカ合衆国のニューディール芸術政策においての「公共空間のための芸術作品」という着想から始まり、60年代以降、欧米を中心に「公共性」あるいは「公開性」の議論を伴いながら発展・拡大してきた概念。日本においては90年代半ばにファーレ立川および新宿アイランドにJ・コスース、R・ラウシェンバーグ、R・リキテンスタインら国際的アーティストの彫刻が高額で購入・設置されたことなどにより周知のものとなる。それゆえ、地域再開発を目的として物理的「公共空間」に彫刻作品を設置するという意味合いがいまも強い。他方、英語圏などでは、例えばL・リッパードが「観衆のために(または観衆とともに)作品をつくり、観衆を考慮することに関心を持って、そして観衆に挑戦したり、巻き込んだり、彼らの相談にのったりしながら、コミュニティと環境を尊重するすべてのアクセサブルな作品」(1995)と定義した例に見られるように多元的な議論が重ねられてきた。また、その過程においては、80年代後半にニューヨークの連邦ビル前広場に置かれたR・セラの彫刻《傾いた弧》(1981)が地域市民の反対により最終的に撤去されるという論争的な出来事が生じ、パブリック・アートにおける美学的議論の困難さも示された。

著者: 長チノリ

参考文献

  • 『パブリックアート政策 芸術の公共性とアメリカ文化政策の変遷』, , 工藤安代, 勁草書房, 2008
  • Mapping the Terrain: New Genre Public Art, “Looking Around: Where We are, Where We could be”, Lucy Lippard, Bay Press

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