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ブリコラージュ

Bricolage

フランス語の「bricoler」(素人仕事をする、日曜大工をする)から。ありあわせの手段・道具でやりくりすること。通常「器用仕事」と訳される。ある目的のためにあつらえられた既存の材料や器具を、別の目的に役立てる手法。C・ L=ストロースが『野生の思考』(1962)において、構成要素の配列の変換群(使い回し)で成り立っている「神話的思考」を比喩的に示すのに用いた。「神話的思考の本性は、雑多な要素からなり、かつたくさんあるといってもやはり限度のある材料を用いて自分の考えを表現することである。(中略)したがって神話的思考とは、いわば一種の知的な器用仕事である。」器用人(ブリコルール)も、それに対置される職人(エンジニア)も、所与の材料はむろん無限ではありえない以上厳密な差はないとも言えるが、完成という目的概念に向けて新たな物を作り出す後者と、あらかじめ与えられた記号を再利用する前者の条件の差は、技術過程の違いに結びつく。用語として文字通りの素材の二次利用から引用表現まで適用範囲がきわめて広いために、まさしく便利に使い回されている感があるものの、ブリコラージュによって目的と手段がコンテクストから切り離されて別の場所で融合することで、新たな意味作用を生むという指摘は、レディメイドを考えるうえでも示唆に富んでいる。

著者: 成相肇

参考文献

  • 『野生の思考』, , クロード・レヴィ=ストロース(大橋保夫訳), みすず書房, 1976

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