2017年12月15日号
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色価(ヴァルール)

Valeur(仏), Value(英)

「目で見て認識した色の階調」と「画面上での色の階調」の違い。絵画の画面における、色彩の色相・明度・彩度などの相関関係による「色の価値」を指す。「ヴァルール」とフランス語読みされることが多い(英語では「value」)。人間の目で見て認識できる色の数は無数であり、絵具の限られた色数では、とても目で認識できる色を捉えることはできない。さらに自然界には反射などによる光る色が存在していて、この色は白色絵具よりも白い=私たちには明るく見えている。例えば白い陶器を描くとする。観察すると反射で光っている部分がある。これを画面の中で表わそうとしたとき、白い陶器全体を白色絵具で塗ってしまうと反射で光る部分が表現できない。実際に感じられる陶器の白さを抑えて、白色絵具を反射で光っている部分に使用する。このように「目で見て認識した色の階調」と「画面上での色の階調」の違いを「色価(ヴァルール)」と呼ぶ。画家は「色価」の差を認識することによって、白色絵具よりも白い対象物や光を表現することができる。色価を合わせるためには、お互いの色同士が緊密に影響し合いながら均衡を保たなければならない。「ヴァルールが合っている」とつかう場合、感覚によった言葉のため、具象であろうが、抽象であろうが、描き手が表現したい色を画面上で再現する能力が高いことを指している。

著者: 藤田千彩

参考文献

  • 『絵画技術入門 テンペラ絵画と油絵具による混合技法』, 佐藤一郎, 美術出版社, 1988
  • 『色彩学概説』, 千々岩英彰, 東京大学出版会, 2001
  • 『色彩科学事典』, 日本色彩学会, 朝倉書店, 1991

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