会期:2026/07/01~2026/09/30ほか
会場:西武渋谷店 B館4階[東京都]ほか
公式サイト:https://entaku.ticket-store.jp/pages/wakaru2chiisai

SNSで告知が流れてきて気になった、というのが本展を観た経緯である。タイトルが示すとおり、「微わかる展2」は「微妙にわかるかも」という基準軸で、日常の些細な出来事や対人関係に対する感情や心の動き、モヤモヤを一言で表わしていく言葉の展覧会だ。例えば「お刺身の説明を聞いた後『これ何だっけ』が発生する確率は90%」「美容室では、うっすらと微妙な嘘をついて会話する」「『芸能人あんまり知らないんだよね』という人は、それを少し誇っている」などである。おそらく誰しもが潜在的に感じていることで、普段それほど気にしていないけれど、明確に言語化されることで「わかる、わかる」となるのだ。なかにはクスッと笑ってしまうものも少なくなく、いかに世の中は「あるある」のシチュエーションに満ちているのかを思い知った。また、現代は短い情報をやりとりし発信するSNS時代である。それにちなんだ言葉も多く、「『※返信不要です』は本当に返信しなくて良いのか不安になる」「『返信を忘れている』ことを、大体の場合覚えている」「いつもいいねをくれる人には、かなりいい感情を持っている」など、こちらもかなり「わかる、わかる」な内容であった。


展示風景 西武渋谷店 B館4階[画像提供:ENTAKU]


展示風景 西武渋谷店 B館4階[画像提供:ENTAKU]

さらに同時開催された「小さいすぎるよ展」は、「小さい気まずいすぎるよ展」「小さい切ないすぎるよ展」「小さいうれしいすぎるよ展」など、もっと感情面に迫った企画である。「飲食店で『おすすめは何ですか?』と聞いておいて、全然違うものを頼むとき」「自分が置いたお土産が、翌日も会社に残っていたとき」「明日届くと思っていた荷物がもう届いていたとき」など、いずれも場面設定が細かいゆえに、より深く共感を呼ぶものが多い。


展示風景 西武渋谷店 B館4階[画像提供:ENTAKU]

結局のところ、本展のような企画が成り立つのは日本の社会ゆえではないかと感じる。いまでこそ外国人在留者は増えたが、島国である日本は閉じた社会を形成してきた歴史があり、伝統的に同調圧力が強い。つまりコミュニケーションにおいて「言わなくてもわかる」という高コンテクスト文化が根付いてきたため、重箱の隅をつつくような事柄に対して「わかる、わかる」なことが多いのである。というわけで、最後に私も「微わかる」ネタを投稿して帰っていったのだった。


展示風景 西武渋谷店 B館4階[画像提供:ENTAKU]

鑑賞日:2026/07/20(月)