磯辺行久
──SUMMER HAPPENING
近年、信濃川流域で自然環境の変化と地域社会の関係を主題とする作品を発表している磯辺行久(1935- )。その半世紀におよぶ多岐にわたる活動を包括的に紹介する初めての個展を開催。1960年代に、ワッペン型のモティーフを反復させたレリーフや版画、そして古画を引用した重層的な構造の絵画を制作した磯辺は、50年代の抽象と、日常的なイメージをコラージュする60年代のポップアートを繋ぐ作家として評価されてきた。しかし60年代半ばに渡米後、新たに環境計画を学んだ磯辺は、以後現在に至るまでこの分野のパイオニアとして活動することになる。本展では、磯辺が自らをとりまく環境を表現したものを「ランドスケープ」と捉え、半世紀に互る、多様なアプローチの変遷を辿る。その際、コミュニティや自然環境へと関心をシフトさせたニューヨーク時代のハプニングをはじめとする多面的な活動の記録にも光を当てる。また展示室中央の吹き抜けには、1970年の第1回アース・デーのために制作したエア・ドームを再現し、当時の映像を上映する。
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