小吹隆文/福住廉 |
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8/27-9/2 |
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Ceramic Now+ 陶芸の現在、そして未来へ
6/10〜8/27 兵庫県陶芸美術館[兵庫] |
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出品作家は板橋廣美、内田鋼一、小松純、戸田守宣、三輪和彦の5人。いずれも伝統的な器ではなく、土を素材とする造形作品を発表した。なかでもミニマルなインスタレーションを見せた内田、陶の小オブジェをボックスアートにして見せた戸田、摩天楼の如き巨大な立方体を林立させた三輪の作品は、陶芸の可能性を大いに感じさせる表現だった。また、小松の衝立をうまく使った見せ方、風船で型を取り陶芸とは思えない柔らかなラインを作り上げた板橋の造形も見事。各作家に一部屋が与えられ、自分の世界を思う存分表現できる条件を整えたことが、本展を実り多いものにした。
[8月27日(日) 小吹隆文] |
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アートバカンス!!展──今年の夏はバカに熱い
8/5〜27 相模原市民ギャラリー[神奈川] |
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学生企画による学生作家の展覧会。宣伝文句にある「バカな魅力をもつ学生作家の熱意」を期待していたが、出品作品の多くは常識の範囲にあって意表を突かれることはほとんどなかった。作品そのものが大人しいということに加えて、作家のコメントもいたって凡庸だからだ。「言葉だけでは説明することのできない『何か』をつねに追い求めています」「なるべく少しでも多く美術のことを考えるように心掛けています」「みんなが喜んでくれるのがやっぱり嬉しいです」。にわかには信じがたいほどお行儀が良い言葉を目の当たりにして、なにかウラがあるのではないかと勘ぐったけれど、そういうわけでもないらしい。純朴な作品が多くを占めるなか、唯一「バカの知性」を感じさせた作家がいた。それはコメントにただ一言、「死なない」と書きつけた島本了多だ。決して自殺はしないと家族を安心させるための宣言なのか、あるいは永遠不死を謳って社会を不安に陥れる不穏な予告なのか、そのメッセージは謎に満ちている。島本の作品はいわゆる「バーコード・ハゲ」への素朴な疑問からはじまり、いくつものハゲ隠しの髪型を考案しては実際に自分でトライして、写真に撮影したそれらのサンプルを列挙して展示するものだ。ここではさまざまな形のハゲ隠しの髪型が披露されているが、面白いのはその多様性ではなく、ハゲ隠しという髪型じたいがハゲを意味してしまうという矛盾が次第にあらわになり、ハゲを隠すという本来の目的が徐々に破綻していく過程が垣間見えることだ。それはいつのまにか手段が自己目的化してしまったというより、目的と手段の関係を超越する運動性をどこかの時点で獲得してしまったということであり、これがあってはじめて「バカ」の称号を自称するに値するのではないだろうか。島本了多こそは、紛うことなき正真正銘の、バカである。
[8月27日(日) 福住廉] |
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ex-PRESS──平林純展
8/29〜9/3 ギャラリー恵風[京都] |
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大きな白いキャンバスにオレンジ色で描かれているのは人間の顔。自分の顔に墨を塗り、魚拓ならぬ“顔拓”を取って、それを元に描いている。以前の作品は写真を元に自分や友人、群集の姿を無機的に描いた批評性の強い物だったから、この変化は大きい。直接的に自己と対峙した今回の作品から、平林が現時点で感じているリアリティの在り処が如実にうかがえた。
[8月29日(火) 小吹隆文] |
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柴垣美恵個展
8/29〜9/9 石田大成社ホール[京都] |
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大学で日本画を専攻した柴垣。現在は和紙にアクリル絵具で描く手法を取っている。それは、日常の何気ない一瞬や友人達との付き合いをライブ感覚を保ったまま描き留めるのに最適だからだろう。簡略化された線描、滲みを十分にコントロールした彩色、余白を活かした画面構成からは、彼女が持つテクニックの高さが窺える。ほっこり心和む世界を軽やかに描き切れるのは、確かな基礎の裏付けがあればこそだ。
[8月29日(火) 小吹隆文] |
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西山美なコ〜いろいき〜
8/26〜10/7 児玉画廊[大阪] |
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3室を有するギャラリーの特徴を生かした鮮やかな展示だった。メインの作品は花やつる草を意匠化したレリーフ状のオブジェ。2層構造で、表側は白、裏はピンクに塗られている。壁に掛けると裏のピンクが反射して作品の周囲がぼんやりとしたピンクのオーラに包まれる。その作品を第1室では単体で、第2室では壁いっぱいに広がったインスタレーションとして提示。最後の部屋では一転、物体はなくピンクの残像だけが壁に残っている。掴もうとするほど逃げていく「美」というものの本質が、そこにはしっかり表現されていた。
[88月31日(木) 小吹隆文] |
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小松敏弘──サナトリウム
8/30〜9/17 遊工房アートスペース[東京] |
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レジデンスとスタジオとギャラリーを兼ね備えたスペースでの個展。2階のギャラリーには生活の痕跡を漂わせる写真が床に置かれたかたちで展示されていたが、これは真下の1階にあるスタジオで撮影された写真で、まるで床下のスタジオを見通すような経験をもたらしていた。
[9月2日(土) 福住廉] |
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太田三郎──On the Beach
8/28〜9/22 ギャラリーなつか[東京] |
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漂流物をモチーフにした切手。
[9月2日(土) 福住廉] |
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ハガ*ユタカ写真展──19:45今夜
8/25〜9/2 Gallery R. Locus[東京] |
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パリやミラノ、東京で撮影された女性の脚の写真。ほとんどが後ろから撮影して、しかもブレているため、フェティッシュな視線と男性の欲望を強く感じさせている。
[9月2日(土) 福住廉] |
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