小吹隆文/福住廉 |
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7/3〜7/6 |
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incubation07 片岡健二──渡辺豪
7/1〜29 京都芸術センター[京都] |
片岡健二と渡辺豪によるポートレイトを巡る2人展。片岡が一貫して描くのはポートレイトの王道とも言うべき妻の肖像。対して渡辺は実在の人物ではなく、CGに人の皮膚の画像を貼り付けたものを作品としている。生身とバーチャル、一見真逆な両者だが、いくら対象に迫ろうとも永遠に同一化できないジレンマを抱える点では共通する。人が人を求める意味、その根源について考えさせられる企画だった。
[7月3日(火) 小吹隆文] |
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英ゆう Flower Pink Star
7/3〜31 イムラアートギャラリー[京都] |
熱帯の植物や風俗、伝説が融合した幻想的な絵画作品ほかを出品。ベースになっているのは旅行や滞在制作で長期間過ごしたタイでの経験だ。鮮やかな色彩と濃厚な空気感からエキゾチシズムを連想しがちだが、実際にはゲイボーイや
娼婦、野良犬など、彼女がタイで身近に体験した出来事が深く反映されている。聖と俗を撹拌させ、独自の神話的世界にまで昇華させた力作である。
[7月3日(火) 小吹隆文] |
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岡田亮展 Aleph Zero──時の解放
7/3〜8 ギャラリーすずき[京都] |
火であぶってぐにゃりと曲げたアクリルボードなどを支持体に、接着剤を混ぜた土が塗り込められている。ふるいをかけて目の粗さを調節した土は遠めには絵具にしか見えない。しかし近寄ってその正体が分かった途端、作品からそれまでとは全然違う表情が姿を現わす。土という悠久の時間を孕んだ素材を生かした強い存在感のある作品だった。
[7月3日(火) 小吹隆文] |
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Artcourt Frontier 2007 ♯5
6/29〜7/14 アートコートギャラリー[大阪] |
批評家、ジャーナリスト、コレクター、キュレーターらが推薦する12組のアーティストが集結した。今年は例年になく大作志向で、なかでもパラモデル、森太三、太田麻里が壁3面を使い切った一室は、まるで示し合わせたかのごとき絶妙のはまり具合だった。この幸福な偶然により本展の成功は約束されたと言えよう。ほかにも、横幅10メートル近い大作を出品した笹倉洋平、ほかとは異質なファンタジックなインスタレーションを作り上げた安田辰雄などバラエティも十分。カタルシスさえ感じられる痛快な出来栄えだった。
[7月4日(水) 小吹隆文] |
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藤本由紀夫展 +/−
7/7〜9/17 国立国際美術館[大阪] |
3館同時個展の第2弾。BOSE社のCDプレーヤー213台が巨大な壁を作り、空調音のようなノイズを発している。近づいてみると実は……。諸事情を考慮して具体的には書かないが、よくも実現したものだ、このアイデア。20年来温めながら、本人すら不可能と思っていたプランの実現に立ち会えたのが嬉しい。本展を逃すと二度と見られない(聞かれない)のではなかろうか。
[7月6日(金) 小吹隆文] |
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