村田真/酒井千穂 |
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10/3~10/5 |
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金沢アートプラットホーム2008
10/4~12/7 金沢市内19カ所[石川] |
金沢の街なかに作品を点在させる試み。昨年、直島の地中美術館から21世紀美術館に移った秋元雄史館長の肝煎りの企画。秋元氏は直島でも廃屋を利用した「家プロジェクト」や、民家に作品を置く「スタンダード展」を企画してきたので、金沢でもぜひやりたいと思っていたそうだ。今日はプレス内覧会なのでバスで見てまわる。金沢美術工芸大学のロビーに古い窓ガラスを組み上げた塩田千春のインスタレーションは、さすが迫力。でも場所に意外性がない。意外性といえば、椿原天満宮の拝殿内の天井から、下半身がニュル~っと伸びてきたような漆の立体を吊るした青木千絵の作品。よくやらせてくれたもんだと感心する。金沢の7不思議をリサーチして巨大なインスタレーションに仕立てた小沢剛の作品も、レトロな町民文化館との相性が絶妙だ。一方、こうした企画には、タイのカミン・ラーチャイプラサートのように市民から思い出の品を借りて並べたり、丸山純子のように住人とともにレジ袋を使って花を制作し商店街に飾るなど、市民参加のコラボレーションも欠かせない。が、いちばん感心したのは、築120年の空き町家をコミュニティスペースとして再生したアトリエ・ワンと、空きビルをアートセンターにリサイクルした中村政人だ。彼らは、こうした1回限りの期間限定イヴェントの機会を利用して、パーマネントな施設をつくってしまったのだ。その意味でこのふたつの試みは、お祭り騒ぎで終わりかねない文化行政に対する優れた批評にもなっている、ともいえるだろう。もっともそういう彼らを選び、そのような試みを後押ししたのは、まぎれもなく21世紀美術館なのだが。
[10月3日(金) 村田真] |
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サイトウ・マコト展 SCENE[0]
8/2~11/3 金沢21世紀美術館[石川] |
人間の崩れかけたポートレートが並んでいる。お、ペインタリーなタッチ。つかみはいい。が、近寄ってみると、なんだデジタル画像じゃないか。映画から切り取ったシーンをデジタル処理したそうだ。カタログというか画集も出ているが、むしろ印刷媒体で見せることを前提につくられ、ついでに展覧会用にも出力してみましたみたいな薄っぺらさを感じる。わざわざキャンヴァスに拡大コピーするところもあざとい。
[10月3日(金) 村田真] |
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ワークショップ「レインボーシャワー・AKASAKA」
10/4,5 赤坂サカス広場[東京] |
「レインボーマンと一緒にシャボン玉を飛ばそう」というワークショップのお誘いがあった。どうやら動員に苦労しているらしいので、あまり乗り気でないガキ2匹を連れて朝10時半に赤坂サカスへ。なぜ乗り気でないかというと、前に森美術館でやった同じレインボーマンのワークショップに参加したとき、ハデなマントを着せられて大勢の通行人の前を歩かされたりして恥ずかしかったからだと。大人的にはハデな演出をしたほうが絵になるが、子どもはそんな思惑をいやがるもんですな。それにしても10時半スタートのはずが11時からになり、ガキどもはますます盛り下がる。ようやく10人ほど集まったものの、子どもは娘と息子のふたりだけ。てゆーか、わしら以外は全員スタッフではないか? ワークショップが始まってからも隣で拡声器を使ってガンガン参加を呼びかけるので、うるさくてしょうがない。そもそも住人(とくに子ども)の少ない赤坂で、子どもを対象としたワークショップを開くこと自体ムリがあるし、赤坂のビルの谷間で子どもたちがシャボン玉を飛ばすなんて、しょせん絵に描いたモチにすぎないのではないか。でもレインボーマン、ありがとう。
[10月5日(日) 村田真] |
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