2019年06月15日号
次回7月1日更新予定

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アスキーアート

ASCII Art(和)

コンピュータのディスプレイ上における文字絵的な造形表現。ASCII、シフトJISなどのテキストのみで絵を構成・表示する。略称はAA。顔文字のように数文字・一行で構成される簡易なものから、数百字・数十行にわたるもの、線画調のものや、陰影表現を伴う写実的なもの、キャプションや吹き出しを付したもの、複数の絵で構成されストーリー性を持つものまで表現形式は多様。文字絵そのものは、日本では平安時代から葦手絵などがあったが、欧米では19世紀以来のタイプライターを用いた文字絵を経て、1980年代からのBBSの普及とともにアスキーアートが制作されるようになった。日本のAAは2000年代以降、特に匿名掲示板「2ちゃんねる」において、ラテン文字だけでなく、ひらがな、カタカナ、漢字、半角、全角などさまざまな表記を可能とする日本語表示環境を利用し、多彩な作品が生まれている。とりわけ日本のAAに顕著な特質は、匿名的・集合的な作家性である。AAの原作者はネット上で“職人”と呼ばれて尊敬の対象となり、「モナー」「やる夫」などのオリジナル・キャラクターAAも多数創作されているが、職人たちには匿名の者も多く、AAの図案も一種の共有財産のように、別の匿名者がコピー・アンド・ペーストと改変を行なうことで増殖・革新が進む(「ののワさん」のように、複数の匿名者により、既存の商業コンテンツ内のキャラクター図案を借用して制作されたAAキャラクターが、本家に公認され、本家のコンテンツに出演した事例もある)。また優れた社会風刺や、先鋭的、場合によっては過激な政治的主張を伴う作品の豊富さも、日本のAAの特質といえるだろう。特に実在の政治家・財界人などをモデルとしたAAにはそうした作品が多い。

著者: 太田智己

参考文献

  • 『2ちゃんねるAA大辞典』, 2ちゃんねる監修、まるへそ太郎, ソフトバンクパブリッシング, 2003

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