2019年06月15日号
次回7月1日更新予定

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スペシフィック・オブジェクト

Specific Objects

ドナルド・ジャッドが発表した1965年のテクスト「スペシフィック・オブジェクツ」で適用した美術作品の傾向のこと。「特殊な客体」「明確な物体」などと訳されるが、属(ジェネリック)に対する種(スペシフィック)の含意もある。「近年の最良の作品の半数かそれ以上は彫刻でも絵画でもない」と冒頭で述べられるこのテキストは、批評家として出発し、後に作家活動を展開していたジャッドが、50年代から60年代にかけて見聞したアメリカ美術の特質に関して分析したものである。ジャッドは、これらの作品が素材の直示性、三次元空間への志向、イリュージョニズムの排除、単一的な作品構造などを備えていると指摘した。また三次元的な立体構造によって現実性を喚起する傾向から、一連の新たな作品は「明らかに絵画よりも彫刻に似ている」とも述べている。ジャッドも自身の作品を絵画や彫刻に分類されることを強く否定していたため、彼自身の作品に関連づけられることも多く、ミニマリズムの別称とも見なされることがある。だが、ジャッドが挙げている作品群はより包括的なものであり、ゆるやかなつながりを形成するものだった。そのためジャッドはこうした傾向が線的な史的発展に即して現象してきた「様式」であるという見方を否定している。

著者: 沢山遼

参考文献

  • "Specific Objects",reprinted in Complete writings 1959-1975: gallery reviews,book reviews,articles,letters to the editor,reports,statements,complaints, , Donald Judd, The Press of the Nova Scotia College of Art and Design, 2005

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