2019年08月01日号
次回9月2日更新予定

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ネオ・コンクレティスム(新具体主義)

Neo-Concretism

1959年にリオデジャネイロで発表された「新具体宣言」に基づき展開されたブラジルの芸術運動。宣言にはフェレイラ・グラール、リジア・クラーク、リジア・パペらが連名で署名した。50年代のブラジルは、50年にマックス・ビルがサンパウロ美術館で大規模な個展を開催したことなどにより、幾何学的形象と無対象性を基調としたロシア構成主義やデ・ステイルなどの具体芸術が大きな影響力を持っていた。グループ・フレンチに所属していたクラーク、パペ、エリオ・オイチシカらは幾何学的抽象に基づいた作品制作も行なっていたが、やがて厳格な形態に拘束された具体芸術を離れ、作品と作品が置かれた空間や時間との相互的な影響関係をはじめ、色彩の効果や触覚などの諸感覚、直観的な創造性を重視し、具体芸術への反動的な傾向を強めていく。「新具体宣言」はこのような状況下で出されたものであり、クラークやオイチシカは作品の事後的な作用として生成される鑑賞者とのインタラクティヴな関係や行為の介入、作品の有機的形態への関心を強めた。しかし60年代後半に独裁政権が抑圧を強め、オイチシカとクラークはブラジルを出国。グループの活動は解消へと向かった。

著者: 沢山遼

参考文献

  • Inverted utopias: avant-garde art in Latin America, “Neo-Concrete Manifesto”, Mari Carmen Ramírez, Héctor Olea(ed.), Yale University Press, 2004

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