2019年06月15日号
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ビデオギャラリーSCAN

Video Gallery SCAN

ビデオギャラリーSCANはアーティストの中谷芙二子が1980年に、ヴィデオ・アート専門のギャラリーとして原宿にオープンし、80年代の日本のヴィデオ・アートの中心的存在として機能した。SCANという名前はヴィデオ・アーティストのビル・ヴィオラの命名による。72年に結成された、山口勝弘、かわなかのぶひろ、松本俊夫らによるグループ「ビデオひろば」の活動や、アメリカのゲリラ・テレビジョンなどのヴィデオ・アクティヴィズムの活動などを紹介。また、ナム・ジュン・パイク、ヴィオラ、ゲイリー・ヒルをはじめとする海外ヴィデオ・アーティストの受け入れ先の役割を担った。SCANは80年以来、新作公募展を15回、またアーティストの個展を30余回にわたって開催し、SCAN流とも呼べるような独特のコンセプチュアルなヴィデオ・アート作家を多数輩出した。その他、87年、89年、92年に「ビデオ・テレビジョン・フェスティバル」を青山スパイラルにて開催し、各家電メーカーや放送局の支援と参加を集めた。アメリカのパブリック・アクセス・チャンネルなどでのヴィデオ・アートの放送プログラムにならって、日本での専門チャンネルの可能性が議論されるまでの盛り上がりをみせたが、バブルの崩壊とともにそれらの動きはほぼ潰え、SCANビデオギャラリーも閉鎖することになった。ヴィオラやヒルら海外のアーティストが大きく注目されていったのと裏腹に、SCANを拠点として活動した80年代の日本のヴィデオ・アーティストはほとんどアートシーンの表舞台から姿を消したが、結局SCANによるアーティストへのサポート活動が、アーティスト自身による自助努力を奪ったかたちになったという皮肉な面がある。

著者: 河合政之

参考文献

  • 「Japan ビデオ・テレビジョン・フェスティバル」カタログ, ビデオギャラリーSCAN, 1987、1989、1992

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