2019年09月15日号
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フォルクヴァンク美術館

Museum Folkwang(独)

1906年、ドイツ、ノルトライン=ヴェストファーレン州エッセンに設立された近現代美術を扱う美術館。設立当初は、ハーゲンの美術コレクターであるカール・エルンスト・オストハウスの個人美術館であった。オストハウスの「工業地帯に美の殿堂を」という理念のもと、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホをはじめとするポスト印象主義、エルンスト・ルートヴィッヒ・キルヒナーなどの表現主義を中心に充実したコレクションが形成された。オストハウスが没した翌年の22年には、エッセンの市立美術館と合併し、現在のフォルクヴァンク美術館となる。「フォルクヴァンク」という名前は、オストハウスの理念に相応しく、北欧神話における美と愛、豊穣、戦闘の女神フレイヤが居住する宮殿の名「フォールクヴァング」に由来している。合併後、ドイツ・ロマン主義をはじめとするドイツ近代美術のコレクション拡大を進めていたが、ナチス政権下では多くのコレクションが「退廃芸術」とみなされ、押収されてしまう。それらの押収作品は、海外に売却されるか、最悪の場合には焼却処分されている。さらに第二次世界大戦下では、美術館の建物も爆撃を受け、一時的に閉館を余儀なくされる事態となる。戦後、コレクションの再構築を経て、60年に再オープンにこぎつける。以降、さらなるコレクションの充実を図り、シュルレアリスムや抽象表現主義などより幅広く収集、70年代には大規模コレクションを保有するに至っている。79年には写真部門を設け、エッセン歴史博物館及びルールラント美術館の統合、83、98年と2回の改築を経て、2007年にはデイヴィッド・チッパーフィールドによる美術館拡張部分が完成、ドイツを代表する巨大な芸術文化施設として現在に至っている。

著者: 小野寛子

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