《Where we once stood》(2025) 作家蔵
[© Keita Morimoto Courtesy of KOTARO NUKAGA Photo: Osamu Sakamoto]

金沢21世紀美術館にて、若手作家を中心に個展形式で紹介する展覧会「アペルト」の19回目として、森本啓太による「what has escaped us」が開催されます。

森本は16歳でカナダへ移住し、海外で作品を発表してきました。あえて古典的な絵画技法を学ぶことを選び、現代の都市風景を特異な表現で描き出し、観る者に強い印象を残します。また近代以降、絵画にとって重要な問題であり続けている「光」の表現に強い関心を持ち、街灯や看板、自動販売機など人工の光を描き込むことで、画面に叙情的な雰囲気を与えています。

また、森本は、個別に撮影された人物と風景の写真からコラージュを作成し、画面上に絵具で再構成するという手法をとることで、人物と風景に一種の匿名性を与えています。作品に描かれる空間や人物は、どこにでもありそうでいて、実際にはどこにも存在しない虚実の境界線上にあります。

本展では、森本の作品を通じて、鑑賞者一人ひとりが自らの現実や日常を今一度問い直す機会となり、絵画という表現形式がもつ力について改めて考える場となるでしょう。

<森本啓太>
1990年大阪生まれ。 
2006年にカナダへ移住し、2012年オンタリオ州立芸術 大学(現・OCAD大学)を卒業。 カナダで活動したのちに帰国し、現在は東京を拠点としている。作品はトロント・カナダ現代美術館、K11 MUSEA、宝龍美術館、Art Gallery of Peterborough、The Power Plant Contemporary Art Gallery、フォートウェイン美術館などで展示されてきた。
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会期:2025/05/20(火)〜 2025/10/05(日)
会場:金沢21世紀美術館 長期インスタレーションルーム(石川県金沢市広坂1-2-1)
休館日:月曜日(ただし7/21、8/11、9/15は開場)7/22、8/12、9/16
主催:金沢21世紀美術館[公益財団法人金沢芸術創造財団]
問い合わせ先:金沢21世紀美術館 TEL:076-220-2800
公式サイト:https://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=17&d=1836