今号公開された大澤夏美さんの「ミュージアムグッズ遊歩12──お守りを集めていたら、ミュージアムグッズのことを考えてしまった」を読んで、ふと思い出したことがありました。ジップバッグに入れて引き出しにしまった、3つのお守りのことです。親戚や友人が私のために祈願して贈ってくれたものでしたが、結果的にそのときの願いはかなわず、しばらく直視できずにデスクの奥に封印していました。
しかし、大澤さんの原稿にある「『応援している』『気にかけている』という気持ちを伝えたい。その思いが、お守りというかたちをとって相手に託されるのである」という言葉に触れ、贈ってくれた方の思いや、受け取った当時の感謝がよみがえってきたのです。引き出しから取り出したいま、願いの成就という「結果」はどうあれ、こうして無事に生きていることこそが、十分なひとつの結果だったと思えました。
少し飛躍しますが、編集もまた、誰かの願いや思いを届ける仕事だと感じています。ただ、発信されたものを受け取る側にも準備が必要で、時間がかかることもあるかもしれません。同じ記事でも、環境や状況が変わることで、受け取り方も異なっていくでしょう。いますぐには届かなくても、いつかふさわしいタイミングで届くように。その準備のために、いま自分にできることから始めていきたいと思っています。(s)