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プライバシーステートメント
展覧会レビュー
村田真/原久子
8/4-8/9
ガール!ガール!ガール!
8/5〜10/15 東京オペラシティアートギャラリー[東京]
ガール!ガール!ガール!
作者自身が和装・洋装さまざまな女性に変身してお見合い写真を撮った澤田知子、スッチーのコスチュームに身を包んで電車のなかでワゴンサービスするタニシK、例のニュアンスに富んだフレーズを英訳したイチハラヒロコなど、女性作家ばかり9組。こんなにおもしろくていいのか、と不安になるくらい楽しい展覧会だ。カタログのなかでキュレーターの堀元彰氏は、iモードを開発した松永真理の「技術よりもサービス」という単純明快なコンセプトから、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』に論を進め、アリスの日常に根ざした「現実感覚」こそこれらアーティストたちに共通する傾向だと述べている。だが彼女たちに共通するのは、むしろ「芸術よりサービス」という態度かもしれない。
[8月4日(月) 村田真]

出品交渉を済ませてみたら最終的に女性だけが残ったのだというこの展覧会。ガールと呼ばれるには若干はばかられるお年頃の作家が並ぶ。が、会期中にさまざまなワークショップをからめて幅広い年齢の参加者が楽しめそうな夏休み企画といったところか。
[8月4日(月) 原久子]
Happy Trail
8/5〜9/21 資生堂ギャラリー [東京]
Happy Trail
悪ガキと言っては失礼だが、遊びを知っている3人が、スキー板を自前でつくる工程と、その板でスキーを楽しむ様子が、インスタレーションと2つのビデオ・プロジェクションで提示されている。真夏の日本だが「私をスキーに連れてって」と心から思った次第である。
[8月4日(月) 原久子]

曽根裕、デーモン・マッカーシー、エリック・アラウェイの3人によるコラボレーション展。彼らがスキーを手づくりし、それで雪山をすべるまでのドキュメントなのだが、スキーに興味のないぼくにも彼らの楽しげな気分が感染してくる。同じく作業過程を公開するワーク・イン・プログレスでも、本人たちの楽しさが伝わってこないヴェネツィア・ビエンナーレの《ダブル・リバー》より、ずっとこっちのほうが成功しているように思えた。
[8月5日(火) 村田真]
2003年アートの旅
7/8〜9/15 千葉市美術館
宮島達男、草間彌生、佐藤時啓、河原温らのコレクションを中心に、地元中学生のワークショップを含めた夏の企画。河原の「デイト・ペインティング」は、1985年6月2日から8日までの1週間分と、1994年の12カ月が毎月1枚ずつ出ている。よくそろえたもんだ、と感心するヤツはあまりいない。表面にびっしり突起がついてる草間のボート状の作品は、案内によると「草間さんは子どもの頃から、『きらい』とか『こわい』とか思う気持が強くて、そのことを考えるうちに、ぬいぐるみみたいなものが、どんどんふえる幻を見るようになったんだって。みんなは、どう?」とあるが、「ぬいぐるみみたいなもの」ってペニスのことでしょ? そうはっきりと書けないところがツライ。
[8月7日(木) 村田真]
夢二・深水と大正の女たち
7/8〜8/10 千葉市美術館
夢二・深水と大正の女たち
夢二、深水のほか、橋口五葉、横尾芳月、恩地孝四郎ら大正期の美人画を展示。関係ないけど、今年は平成15年だから大正と同じ年月を経たわけだが、もしいま天皇が死んだら、「大正ロマン」に匹敵するような平成文化が残るだろうか。残るのは借金だけかも。
[8月7日(木) 村田真]
鶴見幸代
8/8〜21 ギャラリーGAN[東京]
東京藝大大学院に在学中の鶴見幸代のインスタレーション作品での個展。自宅にある絨毯の花模様の輪郭をパターン化してつくった壁紙で画廊の壁を埋め尽くした。花模様のもつファンシーさより影としてのかたまりが壁からしみ出るような感じ。でも、全然どろどろしたところがなく、軽やかささえ感じるような両面を持ち合わせている奇妙なハザマに空間が浮き上がっている。
[8月8日(金) 原久子]
こもれび展
8/9〜10/5 水戸芸術館現代美術ギャラリー
こもれび展
こもれびというと、オルセー美術館にあるルノワールの《陽光の中の裸婦》を思い出す。裸婦の肌にこもれびが映る絵だが、当時の人たちは「皮膚病にかかってる」といったそうだ。つまり、こもれびを描くのはそれほどむずかしいということだ。だから「こもれび展」には妙な期待があったのだが、10人の出品作家のうち実際にこもれびを描いているのは小林孝亘と曽谷朝絵くらい。こもれび現象を再現した木村崇人を含めても、あとの大半はこもれびを拡大解釈または飛躍発展させたもの。もちろん「こもれび展」だからといってこもれびしか許さない原理主義者ではないのだけれど、でもこもれびの魅力がそのはかなさやむずかしさと裏腹にあることを思えば、もう少しこもれびそのものに踏み入ってほしかった。
[8月9日(土) 村田真]

こもれび展
木村崇人作品
朝まで展示作業が続いていたとかでスタッフはぐったりしていた。ポル・マロはそのなかでも最もフィニッシュが危ぶまれていたと聞いたが、作品はナイスでした。木村崇人の傘の作品は、傘の骨に木の葉をはびこらせて、それをさすと木の葉の木漏れ日が足元に落ちてくるといったものだった。床に星形のこもれびが差してきてビックリ。木村マジック!天井を見上げると星形の光がありました。
[8月9日(土) 原久子]
 
Index
7/24-8/3
杉浦隆夫展
黒田清輝展
新世代への視点2003
「The Ten Elements」
ラファエル・ロサノ・ヘメル講演会
ヤノベケンジ「MEGALOMANIA」
ドローイング展「想画集 2」
8/4-8/9
ガール!ガール!ガール!
Happy Trail
2003年アートの旅
夢二・深水と大正の女たち
鶴見幸代
こもれび展
8/10-8/14
ART CAMP in CASO
ソーダッタンダ
白山陶器:FACTORY展」
At This School
称名寺の美術工芸
不滅の輝き 甦る幻の松方コレクション
野見山暁治展
中ハシ克シゲ《ZERO》バーニング
8/15-8/17
流出文化財を守れ―アフガニスタンそしてイラク展
DOWN TO ART ダウン症のアーチスト展
トーキョーワンダーウォール公募2003
田中一光回顧展
横尾忠則展「横尾 by ヨコオ:描くことの悦楽――イメージの遍歴と再生」
8/18-8/24
ユッタ・バウワー原画展
六感の森
「ふたり」展
漢展
辛酸なめ子展「ソウルメイトを探して…」
トルコ美術の現代 どこに?ここに?展




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