村田真/原久子 |
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8/15-8/17 |
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流出文化財を守れ―アフガニスタンそしてイラク展
8/12〜24 日本橋三越本店7階ギャラリー[東京] |
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アフガニスタンから流出した文化財約100点の展示。「平山郁夫からのアピール」という副題がついているとおり、ユネスコ親善大使を務める平山センセーが提唱したもの。平山センセーによれば、タリバーン時代に「統治者の命令を忠実に守っていれば、東西文明の十字路として栄えた中央アジア、アフガニスタンの文化財は、すべて、失われていたに違いありません。皮肉なことに、命令に反して、カブールなどの博物館から略奪したり盗掘した『犯罪者』たちのおかげで、貴重な文化財は残されました」。今回出品されるのは、このうち国外に流出して回収された「文化財難民」と呼ばれるものだ。ゼウス神像の破片もあれば仏像もあり、顔貌も西洋人風、東洋人風とさまざまで、まさに「東西文明の十字路」だったことがわかる。困るのは、ところどころに平山センセーののどかな絵が展示され、安っぽいBGMみたいな逆効果を生んでいること。そのおかげで入場者を増やしているのも事実だが。
[8月15日(金) 村田真] |
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DOWN TO ART ダウン症のアーチスト展
8/12〜24 すみだリバーサイドホールギャラリー |
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ひたすら糸をぐるぐる巻き続けるジュディス・スコット、フォーマットは同じだが配色の異なる家を描き続ける堀田哲明ら、8人の作品展。彼らに共通するのは、ワンパターンであること、ひたすら続けていること、ハッとするような色彩感覚であること。それゆえに新鮮なのだ。主催者は展覧会名に「ダウン症」という言葉を使いながらも、先入観なしに純粋に作品を見てほしいと語っているが、もしダウン症であることを知らなかったらぼくは見に行かなかっただろうし、逆に知っていたら見に行かなかった人もいるかもしれない。
[8月15日(金) 村田真] |
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トーキョーワンダーウォール公募2003
7/26〜8/1 東京都現代美術館 |
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小雨の日曜日。現代美術館のエントランス周辺は子連れの客でにぎわい、道端には屋台まで出るという開館以来の珍事。もちろん「トーキョーワンダーウォール」を見にきたわけではなく、同時開催の「スタジオジブリ展」がお目当てだ。日時指定のチケットをもって列をなす団体を尻目に、「ワンダーウォール」はさぞかしすいているに違いないと思ったらさにあらず、けっこう入っていた。まあ入場無料だからジブリから流れてくる客もいるのだろう。公募入選者95人の作品が展示されている。名前から判断すると過半数が女性。作品は物理的制約があるせいか絵画が中心だが、無根拠なイラストも多く、VOCA展に比べれば2ランクほどレベルが低いという印象だ。そのなかでも、伊藤隆之、喜内順子、小山直輝、長谷川ひとみ、秦美和、松田拓実、渡辺美穂ら、いくつか目に止まった作品もあった。
[8月17日(日) 村田真] |
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田中一光回顧展
6/21〜8/31 東京都現代美術館 |
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こちらも予想以上に混んでいる。まず目につくのは安藤忠雄による会場構成。数万本もの透明なペットボトルを連ねて壁をつくり、そこに数百点のポスターを展示しているのだ。しかしこれは意味がないばかりか、光が乱反射して見にくいことこのうえない。まあ絵画とは違ってポスターだから、あえて作品然とした展示を避けたのかもしれないけどね。でもどうせなら藤浩志みたいに、使用済みのペットボトルをリサイクルしてほしかった。それはともかく、こうして一光のポスターをながめてみると、原色をフラットに用いた色彩といい、幾何学形態を基本とする画面構成といい、琳派のごとき大胆な意匠といい、きわめて単純かつ明快であることがわかる。なかでも強く印象に残るのが正方形だ。この正方形愛好症ともいうべき嗜好は、たぶん漢字の書体から来たものではないかしら。そう思って最初のコーナーに戻ると、京都美専(京都芸大)の卒業制作下絵もほぼ正方形の屏風絵だった。
[8月17日(日) 村田真] |
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横尾忠則展「横尾 by ヨコオ:描くことの悦楽――イメージの遍歴と再生」
7/8〜8/17 京都国立近代美術館 |
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新作約20点を含む約170点の作品は、少年時代の絵にはじまり、ポスターなどのグラフィックデザインの作品も交え、広い範囲におよぶ創作活動が紹介された展覧会。会場内が迷路のように感じられ、混乱してゆく意識がなぜか心地よい。時間軸も勿論おさえながら展示されているものの、いわゆる回顧展に終わっていない後味のいい展覧会だった。彼がつくり出す世界観といったものと、全体を観てゆくうちに、頭で整理されつつ少し近づけたようで嬉しく思えた。
[8月17日(日) 原久子] |
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