村田真/原久子 |
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5/22-5/25 |
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ポンペイの輝き
4/28〜6/25 Bunkamuraザ・ミュージアム[東京] |
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ポンペイとは、都市の上におおいかぶさった土砂をひっぺがして出てきたいわば鋳型みたいなもの。逃げ遅れたポンペイ人は火山灰に埋もれて遺骸はなくなり、その空洞に石膏を流し込んで人体彫刻がイッチョあがりってわけ。これを彫刻の出発点にした彫刻家もいたなあ。出品は大理石彫刻や貴金属の宝飾品や壁画などの出土品。これらはそのまま火山灰にシールドされ、タイムカプセルに守られていたようなものなので、驚くほど保存がいい。結局こういう遺物を破壊するのは自然より人間なんだということがよくわかる。
[5月22日(月) 村田真] |
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現代中国の美術展
5/20〜7/2 日中友好会館美術館[東京]
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1949年の建国以来5年ごとに開かれてきた中国の全国美術展。国内向けドクメンタみたいなもんだ。2004年の第10回展は数万点の応募作品のなかから約3500点が入選し、中国画、油彩画、水彩画、版画など部門ごとに各地で展覧され、うち597点が受賞作品として北京で展示された。そのなかから95点を選んだのがこの展覧会だから、さすがに中国美術の現在が濃厚に凝縮されている。その特徴をひとことでいえば写実表現、しかも写真に基づいたハイパーリアリズムだ。これは油彩画だけでなく水彩画や版画や中国画にさえ表れている。もっとも日本向けに絞り込む段階で新しい技法や表現を重視したこともあって、その傾向に拍車がかかったともいえるが。いずれにせよハイパーリアリズムのわかりやすさや、卓越した技法への驚きが広く受け入れられたということだろう。5年後にはどう変わるか楽しみだ。点数は少ないけど、年画もキッチュで楽しい。
[5月23日(火) 村田真] |
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リュック・タイマンス
5/12〜6/24 ワコウ・ワークス・オブ・アート[東京] |
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モノクロームに近い地味?な色彩で拍子抜けするほどさりげなく描いている。輪郭はややかすれ、全体のイメージは紗がかかったように薄く、細部は昨日の記憶のように曖昧だ。なかなかこうは描けない。
[5月25日(木) 村田真] |
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奥井ゆみ子新作展
4/26〜5/27 ケンジタキギャラリー東京[東京] |
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色彩はリュック・タイマンスと同じく地味ーなグレー系だが、抽象化した風景に小さな人物像がポツポツと描き込んであって、印象はずいぶん異なる。
[5月25日(木) 村田真] |
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武満徹──Visions in Time
4/9〜6/18 東京オペラシティアートギャラリー[東京] |
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東京オペラシティの音楽部門と美術部門の共同プロジェクト。ここに映画や文学の部門もあれば、当然このプロジェクトに加わっていたであろうほど武満の好奇心は旺盛だった、というより武満の時代はだれもが好奇心が旺盛だった、ということがよくわかる展示。なぜそれをオペラシティでやるのかというと、開館前のオペラシティの監修を務めたのが晩年の武満だったからだ。残念ながら完成を見ることなく亡くなったが。
[5月25日(木) 村田真] |
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ヒラタシノ展
4/9〜6/18 東京オペラシティアートギャラリー4F[東京] |
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図版で見ると「またかよ」とうんざりするほどだれかに、いや単数ではなく、だれかとだれかとだれかに似ているように思えるのだが、実際に見てみるとそんなことがまったく気にならないくらい自分のものになっている。大した技量だ。とりわけ感心したのが壁に直接描いたウォール・ペインティング。その上にキャンヴァス作品を掛けているのだが、そのキャンヴァス画からストロークが延長したようなイメージの連続性を保ちつつ、しかしキャンヴァスの細かい目と布張り壁面の粗い目で微妙にスケールを変えているように見えるのだ。これまでにもビルの仮囲いや自動車のボディにも絵を描いてきたという。いいじゃん。
[5月25日(木) 村田真] |
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現代植物画の巨匠展
4/22〜7/2 損保ジャパン東郷青児美術館[東京] |
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植物画(ボタニカル・アート)の黄金時代は、博物学の華やかなりし18〜19世紀。写真やコンピュータの普及した現代では、植物の細部まで手で再現したり記録したりする意味がない。でも意味がないからこそ純粋アートとしての植物画というものが成立するのかも。いやまったくこれらは意味もなく美しいのだ。
[5月25日(木) 村田真] |
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